2017年5月7日

寺山修司
戯曲『毛皮のマリー』
 (ちくま日本文学6)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

詩人、俳人、小説家、劇作家、随筆家、評論家、映画監督など様々な分野で活躍された寺山修司さん。50年前の1967年には演劇実験室「天井桟敷」を設立。唐十郎さん主宰の「状況劇場」と並んで、日本の演劇界を代表する存在となりました。設立の年に上演された舞台のひとつが「毛皮のマリー」。美輪明宏さん(当時は丸山明宏さん)が歌っていたシャンソン喫茶「銀巴里」に寺山修司さんは通い、美輪さんのために書き上げたのがこの戯曲です。四十歳のおかまである毛皮のマリーが西洋式の浴槽で入浴している場面から始まるこの作品は、寺山修司さんが亡くなって34年たった今も美輪さんの代表作として上演され続けています。

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