2017年4月16日
川端康成
『眠れる美女』
 (新潮文庫)

大学生の頃に「眠れる美女」を読んだ時には、男性の欲望の果てがないことに恐ろしさを感じたという小川洋子さん。しかし今あらためて読むと、死を淡々と受け入れることの難しさを感じるそうです。ちなみに小川さんが子供の頃にはじめて知った重大ニュースは、川端康成が亡くなったことだったとか。小川さんの小説「ミーナの行進」にも川端康成の死と小説「眠れる美女」が出てきます。川端康成が「眠れる美女」を執筆していたのは60代のはじめ。その頃、多忙すぎた彼は以前から服用していた睡眠薬の量も増えていき、薬の禁断症状を起こして入院までしています。彼の置かれている状況も反映している「眠れる美女」。その発表からおよそ10年後、自ら命をたっています。

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