2016年10月30日
北杜夫
『ぼくのおじさん』
 (新潮文庫)

北杜夫さんというと、以前「夜と霧の隅で」そして「どくとるマンボウ航海記」を取り上げたことがありますが、児童文学ははじめて。実は今回の「ぼくのおじさん」は自分自身をモデルにして書いたそうです。若い頃の北杜夫さんは医者と小説家、ふたつの道を目指していました。当時、お金がなくお兄さんの家に居候。そこには甥や姪がいましたが、彼らにお土産を買ってあげることもなく、また子供とお金を出し合って漫画を買うようなダメおじさん。まさに今回の作品に登場する「ぼくのおじさん」と同じです。しかし子供は理想的な大人からだけ何かを学ぶのではありません。この作品を読んで、今の子供たちはどんなことを感じるのでしょうか?

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