2016年8月7日

朽木祥
『八月の光』
 (小学館文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

広島に原爆が投下されてから今年で71年目を迎えました。原爆が落とされた瞬間、その場所にいた人々のことを描いた「八月の光・あとかた」。朽木祥さんの短編集です。もともと「八月の光」は児童文学として発表され、多くの子供たちに読まれた作品ですが、幅広い読者に読んでもらいたいということで、朽木祥さんがあらたに2編の短編小説を書きおろし、「あとかた」という題名で括って「八月の光」とあわせて昨年、文庫化されました。あの瞬間、そこに暮らす人々にはどんな時間が流れていたのか。その後、生き残った人々はどんな想いを抱えていたのか。広島出身・被爆二世の朽木祥さんだからこそ描くことが出来た作品です。

...続きを読む