2016年2月21日
宮沢賢治
『注文の多い料理店』
 (新潮文庫)

宮沢賢治が生前に刊行したとされる唯一の童話集「注文の多い料理店」。この本には「イーハトヴ童話」という副題が付いています。「イーハトヴ」とは宮沢賢治が自分のふるさと岩手県をもじった彼なりの造語で理想郷を表しています。賢治の魅力が詰まった「イーハトヴ童話」。その中には「どんぐりと山猫」や「なめとこ山の熊」など代表作も収められています。しかし当時ほとんど売れず、彼が生きている間にはなかなか評価されませんでした。そんな中、数少ない理解者だったのが詩人の草野心平でした。数少ないながら理解者がいたからこそ宮沢賢治が残した詩や童話は亡くなったあともその良さが伝えられ、今もなお多くの人達に読み継がれ愛されているのです。

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