2016年1月31日
タミ・シェム=トヴ
『父さんの手紙はぜんぶおぼえた』

 (岩波書店)

この本には、父さんがリーネケに送った絵手紙がそのまま掲載されていて、そのひとつひとつに大きな愛とユーモアが溢れています。またリーネケを預かったドクター・コーリーの愛の深さも感じます。どんな時代であっても勇気を持って子供たちを守り、豊かに育もうとする大人がいることの大切さ。だからこそリーネケも戦時中でありながら、物事を素直に受け止め、いきいきと暮らすことが出来たのです。その様子を感じることができる「父さんの手紙はぜんぶおぼえた」。巻末にはリーネケと家族の写真。そしてこの本を手がけた作家タミ・シェム=トヴとリーネケの対話も掲載されています。あらためて平和の大切さを感じる本。多くの人に手にとってもらいたい1冊です。

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