2016年1月17日 | |||
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新兵衛が寄り合いの帰りに見たのは、丸子屋という同じ紙問屋のおかみである「おこう」。彼女がお酒を飲み過ぎて道ばたで具合がわるくなり、風体のよくない男たちが取り囲んでいる光景でした。「おこう」を助ける新兵衛。それがきっかけで二人の仲は近づいていきますが、それをネタに塙屋彦助という男からゆすられ、そのことからさらに新兵衛とおこうは深く結ばれていきます。「海鳴り」は1982年の夏から1年間、新聞に連載されていた小説。藤沢周平さんが55歳の時の作品でした。この年齢だからこそ書けた新兵衛の心情。丁寧に描かれた心の中も読みごたえがあります。来週は「海鳴り」の下巻を中心に読んでいきます。お楽しみに。 |