2015年08月16日 | |||
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「ここまで人間の暗闇をえぐりだす作家は他にはいない」と小川洋子さんが感じるほど、車谷長吉さんの小説「赤目四十八瀧心中未遂」には深いところでもがいている人達が描かれています。中でも「アヤちゃん」という女性は見るのが恐いほどの美人。しかし背負っている運命の重さは計り知れないものがあります。その「アヤちゃん」は主人公の生島与一に自分を連れてこの世の外へ逃げてほしいと言うのです。生前、新聞の人生相談も担当されて、他にはない味のある回答でも話題となった車谷長吉さん。小説でも人生相談でも、人間の持つ闇の本当の部分を知っているからこそ表現できた独自の世界なのかもしれません。 |