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安岡章太郎 『海辺の光景』 （新潮文庫） |
1953年から55年頃にかけて文壇デビューされた方たちは「第三の新人」と呼ばれています。吉行淳之介さん、遠藤周作さん、庄野潤三さん、そして安岡章太郎さんもそのおひとり。安岡章太郎さんは、代表作「海辺の光景」の主人公と同じ高知県の生まれ。この小説を発表された2年前にお母様を亡くされています。お母様を看取られたその日、干潮の海辺をながめて「自然の法則や意志といったものにある感銘をうけた」と感じられたとか。そのことがきっかけでこの小説が生まれました。「海辺の光景」の他にも自分の両親をテーマにした作品を書き続けた安岡章太郎。短編小説「愛玩」もあわせて読んでみるとさらに伝わってくるものがあると思います。