2015年04月05日
高樹のぶ子
『光抱く友よ』
 (新潮文庫)

1980年に作家としてデビューされ、その4年後37歳の時に「光抱く友よ」で芥川賞を受賞された高樹のぶ子さん。それから31年、幅広い分野で作品を発表されています。小川洋子さんが最近読んだ高樹のぶ子さんの作品で心に残るのは「甘苦上海」。上海を舞台にした官能的な小説。そしてもうひとつは川端康成文学賞受賞作の「トモスイ」です。「高樹のぶ子さんはひとつのジャンルに収まらない沢山の引き出しを持っている作家」と小川洋子さん。高樹さんと小川さんは現在、お二人とも芥川賞の選考委員をされていますが、芥川賞選考の時にも、高樹のぶ子さんがどの作品を選ぶのか予測できないとか。そこにも高樹のぶ子さんの文学的な視野の広さが感じられます。

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