2015年02月08日
長編小説を読む 第二週
スタンダール『赤と黒』

 (光文社古典新訳文庫)

「赤と黒」を書いたフランスの作家スタンダールはどんな人物だったのか?彼は1783年、ブルジョワの家庭に生まれますが、7才の時にお母さんを亡くし、母への想いをずっと持ち続けていました。ちなみに「赤と黒」のレナール夫人はそのお母さんがモデルだとも言われていて、確かに小説には彼女の中にある母性が強く描かれています。小川洋子さんも「この小説そのものが、ジュリヤンの母を求める長い長い物語なのでは」と感じたそうです。スタンダール愛好者「スタンダリアン」は多く、バルザック、ニーチェ。そして日本でも大岡昇平さんがよく知られています。時代と人間、その両方を深く描きだそうとしたスタンダール。そのスケールの大きさが時代を越えて人を魅了するのかもしれません。

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