2015年01月18日
尾崎紅葉『金色夜叉』
 (角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックス)

「金色夜叉」を書いた尾崎紅葉とあの夏目漱石は、同じ慶応3年の生まれです。しかし夏目漱石は読み継がれているのに、尾崎紅葉は読む人が少なくなっています。その理由はやはり文体。尾崎紅葉の文章は読みにくく、今回は角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックス「近代文学編」の助けを借りて読むことにしました。実際に読んでみると「金色夜叉」も面白く、当時は新しい部分をたくさん持った小説で、その後も多くの作家に影響を与えています。新聞に載っていた当時、あまりの大ヒットのため連載も6年続きました。しかしその執筆の苛酷さなどもあり、病気のため休載することも多く、結局未完のまま、尾崎紅葉は35才の若さで亡くなっています。

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