2015年01月11日

石川達三
『青春の蹉跌』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今から47年前の昭和43年(1968年)に新聞に連載された石川達三さんの小説「青春の蹉跌」。その後ベストセラーとなり、萩原健一さん桃井かおりさんで映画にもなりました。物語の舞台は学生運動が盛んな時代。しかし主人公の江藤賢一郎は超現実主義者で、仲間の大学生が革命や政治について議論していても、彼自身は自分の将来のことしか頭にありません。大橋登美子という女子学生と付き合っていても結婚する気はなく、どこかで別れなければと考えていました。しかし二人の付き合いが深くなる中で取り返しのつかないことが起こるのです。登美子に子どもが出来たと聞かされた賢一郎。彼はどんな行動にでるのでしょうか?

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