2014年12月14日
松本清張
『点と線』
 (新潮文庫)

出版から56年たっても多くの人を惹きつける松本清張の「点と線」。読んで面白い小説というエンターテイメント性はもちろん、時刻表を使った斬新なトリックも多くの作家に影響を与えています。また「点と線」では当時話題だった夜行寝台特急「あさかぜ」を登場させるなど新しい感覚にもあふれています。また社会派ミステリーという分野を確立させ、「点と線」でも官庁の汚職事件というテーマに挑んでいます。社会構造とそこに巻き込まれた個人の悲劇。「点と線」でも死ぬ必要がなかった人間の不幸を描いています。22年前82歳で亡くなった松本清張。生前に残した作品は千点とも言われ今後も読み続けていきたい昭和を代表する作家です。

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