2014年06月15日
舟崎克彦
『雨の動物園-私の博物誌』

 (岩波少年文庫)

作者の舟崎克彦さんは、1945年(昭和20年)2月2日、終戦を迎える半年前に豊島区で生まれています。「雨の動物園」を読むと、舟崎さんがどんな少年時代を過ごしていたのかも伝わってきます。昭和27年の夏、おじいさんの家によく遊びに行っていた舟崎少年。実はこの年の6月、7歳の時にお母さんを亡くされていたのです。少年の心を通して描かれていく生き物たち。その中には死んだお母さんへの気持ちが映しだされています。「子供がいかに小さな生き物たちから多くのものを学び感じ取っているかが伝わってくる」と小川洋子さん。子供たちにも、そして子供を持つお父さん、お母さんにもぜひ読んでほしい1冊です。

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