2014年06月01日
ジョルジェ・アマード
『砂の戦士たち』
 (彩流社)

ブラジル文学を代表する作家ジョルジェ・アマード。1912年に生まれて、15歳の時に新聞記者として執筆活動をスタート。大学生だった19歳の時に処女作を出版して注目されるようになります。「砂の戦士たち」を発表したのは25歳。しかしこの小説はすぐに焼却処分を受けてしまいます。1937年ブラジルではバルガスという人物がクーデターを起こし独裁体制を樹立。言論の自由もなくなってしまいました。ジョルジェ・アマードも左翼的な作家として逮捕され、それまでに出版した6冊の本は押収されてしまったということです。物語の後半、主人公の「ペドロ・バラ」が労働運動のリーダーになる部分は当時のブラジルの状況を反映しているのかもしれません。

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