心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

日本を代表する物理学者・中谷宇吉郎。明治33年に石川県で生まれ、高校卒業まで雪深い北陸で暮らしていました。その後、東京帝国大学（現在の東大）に入学。寺田寅彦の指導を受け、実験物理学の道に進むことになります。イギリス留学を経て、昭和5年に北海道大学に赴任。やがて雪の結晶の研究に打ち込むようになります。今回取り上げた「雪は天からの手紙〜中谷宇吉郎エッセイ集」の最初に収められているのも雪の研究にちなんだもの。北海道の十勝岳に入って雪を採集。その結晶を丹念に写真撮影していきます。そこには研究するにふさわしい自然の美しさが潜んでいて、観るものを魅了してしまうほどでした。

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