2013年10月13日
ジャン・コクトー『恐るべき子供たち』
 (光文社古典新訳文庫)

1889年、パリ郊外の裕福な家に生まれたジャン・コクトー。早くから社交界にデビューし、19歳の時に詩の朗読会を開きます。その後、28歳の時にはロシア・バレエ団の台本を手がけ、今回取り上げた「恐るべき子供たち」は、彼が40歳の時の小説。当時、彼は阿片中毒になり解毒療法を受けるため療養所に4ヶ月ほど入院していました。その状況の中、たった17日間で書きあげています。映画を手がけたことでも知られ、また光文社古典新訳文庫の「恐るべき子供たち」には、コクトーのイラストが挿絵として掲載されています。残した作品に触れるといかに溢れる才能を持っていた人物なのかが伝わってきて、芸術家としか呼べないコクトーの存在を感じるのです。

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