2012年04月22日
ダニエル・キイス
『アルジャーノンに花束を』

 (ハヤカワ書房)

チャーリィが経過報告を書くというスタイルで続いていく「アルジャーノンに花束を」。脳の手術を受けたチャーリィの文章は明らかに変化していきます。そして天才のような知能を身につけていく中で沢山の苦しみを感じるようになるのです。彼の苦悩の根源でもある家庭環境。仕事場での孤立。そして恋愛。これを書いたダニエル・キイスは「心を描き続ける作家」と言われていますが、「アルジャーノンに花束を」を通して、どんなことを伝えたいと思ったのでしょうか?どんな人間にも持っているものと、持っていないものがある。まずは自分が持っているものは何なのかに気づくことが大切。そんなことを主人公チャーリィは教えてくれているのかもしれません。

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