2011年10月16日
村上龍 (講談社文庫)
『コインロッカー・ベイビーズ』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

1976年「限りなく透明に近いブルー」でデビューした村上龍さん。その4年後、初の書き下ろしとして出版されたのが長編小説「コインロッカー・ベイビーズ」です。コインロッカーに捨てられたハシとキクという二人の少年を描いたこの作品は野間文芸新人賞も受賞しています。小川洋子さんにとっても、青春時代を飾る小説のひとつ。大学時代、お金がなかったため文庫本が出るまで待ってから読んだそうです。今回、久しぶりに読みなおしてみると、今もなお色褪せない設定でユニークな作品。出版から31年たっているのに、まるで近未来を予告しているかのような小説だと感じたそうです。

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