2010年09月19日
黒井千次『高く手を振る日』  (新潮社)

「高く手を振る日」は、新聞でも紹介され反響も大きい作品です。高齢化と言われる今の時代だからこそ、老いをテーマにした小説に共感する人が多いのではないでしょうか?主人公・浩平にとって「自分の人生にどうケリをつけるか」ということが大きな問題になっています。浩平と同じ世代の読者にとってはもちろん、60代50代にも心に響く部分が沢山ある小説です。また20代の若い人にもぜひ手にとってほしいもの。人生の示唆を与えてくれる1冊になることでしょう。著者の黒井千次さんは「老いのかたち」というエッセイ集も出版されています。この本も「老いるということはどんなことなのか。」あらためて考えるきっかけを作ってくれる1冊です。

...前に戻る