2010年09月12日
アガサ・クリスティ
『オリエント急行の殺人』

 (ハヤカワ文庫/クリスティー文庫)

「オリエント急行の殺人」が出版されたのは1934年。アガサ・クリスティが44歳の時でした。もともと旅行好きだった彼女ですが、この作品を発表する4年前に2度目の結婚。相手は考古学者だったそうです。そのため夫の発掘調査に同行してオリエント急行に乗っていたアガサ・クリスティ。シリアやイラクにも出かけていました。「オリエント急行の殺人」の冒頭もシリアの朝。そのあとに出てくるオリエント急行の描写も実際に乗ったことがあるからこそリアルに描かれています。謎解きだけでなく、オリエント急行の豪華さや個性的な登場人物など、読書の楽しみも教えてくれる作品。だからこそ発表から76年たった今も、世界中で読み継がれています。

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