2009年07月26日
谷崎潤一郎
『細 雪』<第二週>
(新潮文庫ほか)

7月は谷崎潤一郎の誕生月で亡くなった月でもあります。明治19年7月24日に生まれ、昭和40年7月30日に79歳で亡くなった谷崎潤一郎。「細雪」を書いたのは、その人生の後半、56歳から62歳の6年間でした。しかしさすがにこの大作を書き続けることは、肉体的にも精神的にも疲れたのではないでしょうか?谷崎潤一郎自身「細雪・回顧」という文章の中で、 「最後の方になって殊に疲れを感じた。」と告白しています。自分の妻「松子」とその姉妹をモデルに、自分の肉体と人生を傾け、さらに戦争という時代もくぐり抜けながら書いた「細雪」。この小説の中に、谷崎潤一郎という作家のすべてが詰まっているように感じます。

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