2009年06月07日
西原理恵子
『いけちゃんとぼく』
 (角川書店)

子供の頃の記憶や大人になってからの経験がベースになっている西原理恵子さんの作品。「いけちゃんとぼく」の中に出てくるひとつひとつのエピソードも西原さんがかつてどこかで味わった想いが描かれているのではないでしょうか?特に印象的なのは、主人公のぼくのおとうさんが亡くなるエピソード。そこでいけちゃんはぼくに、こんな言葉を伝えます。「せかい中で人よりはやく大人にならないといけない子供っているんだよ。キミもその中のひとりなんだよ。」もしかしたら西原さんご自身が、少し早く大人にならなくてはいけない少女だったのかもしれません。そしてその感性で作りあげた漫画はどれも上質で、心にしみてくる作品ばかりです。

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