2009年03月08日
有島武郎『生れ出づる悩み』

「生れ出づる悩み」に登場する画家を目指す青年。彼にはモデルがいました。北海道の岩内で漁夫を続けながら絵画への情熱を持ち続け、実際に画家となった「木田金次郎」という人物。この木田青年と有島武郎の出会いは明治43年のことでした。母校である札幌農学校(現在の北海道大学)で英語の教師をしていた有島武郎のもとに、まだ17歳だった木田金次郎が絵を見てほしいと訪ねてきたそうです。その出会いが「生れ出づる悩み」という文学を生み出すきっかけになりました。北海道の岩内には現在「木田金次郎美術館」も建てられています。「生れ出づる悩み」の文庫本を片手に、いつかこの場所を訪ねてみるのも素敵なのでは。

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