2008年10月12日
アラン・シリトー『長距離走者の孤独』

新潮文庫出版の「長距離走者の孤独」。そのあとがきで、翻訳をされた河野一郎さんが、アラン・シリトーが作家になったきっかけを書かれています。それはなんと「読書」。少年時代、貧しかったアラン・シリトーはほとんど本を読んでいなかったとか。しかし19歳でイギリス空軍に入隊しマレー半島に派遣。そこで肺結核にかかり、イギリスに戻され療養生活をするのです。そこではじめたのが読書。心の痛手をやわらげるため何百冊となく読み、創作活動もスタートさせました。「本を読むことは、その人が本来あるべき方向へ向けてくれるもの」と小川洋子さん。読書の秋、自分が本来あるべき道を示してくれるような本との出会いをしてみたいものです。

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