心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
大正から昭和のはじめにかけて活躍した童謡詩人「金子みすゞ」。3月10日の命日を前に「金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと」という1冊を選んでみました。タイトルになっている「わたしと小鳥とすずと」は、小学校の教科書にも載っている代表作。人と動物と物を並べて、それぞれに与えられた役目を最小限の言葉で表した名作。子供にはもちろん、大人にとっても心の宝物。「みんなちがって、みんないい。」という最後の1行が、なんとも心温かく響いてきます。「大人と子供の区別なく感動できることが上質な文学の条件」と小川洋子さん。その点でも、金子みすゞの童謡は、まさに質の高い文学と言えるのでは。
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