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REPORT

第58回 11月24日放送「紅茶」後編
2024.11.24
ヨーロッパにやってきた当時のお茶は東洋の秘薬。
それを変えたのが1662年にイギリスのチャールズ2世に嫁いだ
ポルトガルのキャサリン王女です。

イギリスで好んで紅茶が飲まれるようになる中、
キャサリン王女は、母国から持参した貴重な砂糖を入れて毎日愛飲しました。
この贅沢な習慣が、イギリス貴族に広まります。

そして、歴史の授業で聞き覚えがあるでしょう。
東インド会社が、紅茶を含むお茶の輸入を独占。
イギリスにとってお茶は貿易面でも重要な品となります。
やがてイギリスには産業革命が起こり、世界に先駆けて近代国家への扉を開きました。
市民の生活にもゆとりが生まれて、紅茶を飲む習慣は国民共通のものになります。

需要が増えた結果、この当時、イギリスの植民地だったインドやセイロン、
現在のスリランカでの紅茶の生産が行われるようになり、
今もインドは世界最大の紅茶生産国。スリランカも紅茶大国の1つです。

お茶の樹は気候風土によって品質や香りに個性があり、
紅茶は産地名を銘柄として使うのが一般的。その品種は2つに大別できます。
熱帯性のアッサム種は、カテキンが多く含まれ、しっかりしたコクと甘みや香りが特徴。
温帯性の中国種は、カテキンが少なく、デリケートな香りが特徴。
世界三大紅茶は、インドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキーモンです。

明治20年に日本初の紅茶を輸入量は、わずか100kgでしたが、今では1,000万t以上。
それだけ紅茶を好んで飲む人が増えたということ。
品種や産地を意識して飲むと紅茶ライフはさらに楽しくなることでしょう。
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