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雲 雲 雲 木 人々 街並み
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REPORT

第55回 11月3日放送「砂糖」前編 
2024.11.03
私たちにある5つの味覚の1つ甘味。
人間は甘味を感じると脳内の心地よさを感じる部分が刺激されて
β-エンドルフィンが分泌されます。これはストレスを和らげ、
心身のリラックスや快感をもたらす作用があるホルモン。
甘いものを食べると幸せな気分になることには科学的な理由があるのです。

そんな甘味の代表的なものが「砂糖」。幸せになる物質ですから
私たちの祖先は、その存在に気づいた遥か昔から口にしていたことでしょう。
当初は原料になるサトウキビをジュース状にして飲んでいたと考えられています。

砂糖伝播のルーツとなったのがインド。
紀元前327年、マケドニアの国王がインドに遠征した時の記録に
「蜂蜜のように甘い汁のとれる葦がある」「噛むと砕ける甘い石がある」とあります。
前者はサトウキビで後者は砂糖を指し、砂糖が初めて精製されたのがインドで
英単語「Sugar」の語源は古代インドの言語、
サンスクリット語の「Sarkara 」だとされています。

やがて、サトウキビと砂糖は世界へと広がっていきます。
インドから西はペルシャやエジプトへ、東は中国へ。
11世紀から12世紀にかけては十字軍の遠征によってヨーロッパへ・・・と。

その砂糖が日本に伝来したと考えられているのが奈良時代。
当時の多くの文化がそうであるように、中国からもたらされました。
唐招提寺の創始者で唐の高僧 鑑真が来日する際に持ち込んだ、
遣唐使が持ち帰ったなど諸説ありますが、定かではありません。

しかし、756年に光明皇后が60種の薬を東大寺の大仏に献納した際の目録
「種々薬帖には砂糖を意味する「庶糖」の記録が見られます。
この頃の砂糖は高価な薬でもあったのです。
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