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REPORT

第53回 10月20日「掃除機」前編
2024.10.20
生活がもっと楽になるように、便利なモノを発明してきたことが、人類の歴史の一部。
今の掃除機に繋がるものもいろいろな時代に、いろんな場所で考えられたと想像されます。
その中で「世界初」の掃除機は、アメリカのアイヴス・マガフィーさんによる発明。
1868年のことです。

電力が普及する以前のことで、これは電気を使わない製品。
レバーを手で引いて、圧力が低い状態をつくり出し、
空気は気圧の高いところから低いところへ流れる性質を利用して、
ノズルからゴミを吸い取って容器に溜めるという方式でした。

この真空掃除機は発売まで漕ぎ着けますが、とても高価な品。
当時の人たちは、ノズルをゴミに当て、手でレバーを引く手間も
面倒に感じられたようで、残念ながらあまり普及しなかったようです。

ほどなく電気の時代が到来すると、電気で動く掃除機の開発競争が始まります。
そして、最初の電気式真空掃除機を1901年に開発して歴史に名を残したのは
イギリスのヒューバート・セシル・ブースさんです。

ブースさんの掃除機には布のフィルターがついていました。
それは列車の座席から塵を吹き飛ばす装置のデモンストレーションを見た時に
「吹き飛ばすより吸い取った方がいいだろう」と思いついて構造を考えたから。
アイデアを試すため、レストランの椅子にハンカチを広げ、口で吸ってみたブースさんは、
塵がハンカチの反対側に集まったのを見て、成功を確信したといいいます。
その後、製品の開発に漕ぎ着け、工場や倉庫で使う業務用として成功を収めました。

ただ、この時の掃除機はとても巨大。掃除に使う場所まで馬で引いて行ったとか。
ここから小型化や軽量化が進められ、家庭用の掃除機が普及していくのです。
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