第51回 10月6日「絵画」前編
2024.10.06
人類がどの時点から絵を描き始めたのか?正確なことはわかりませんが、
今年7月、インドネシア スラウェシ島の複数の洞窟で見つかっている狩猟の壁画が、
現生人類最古の5万1,200年前に描かれた可能性があるという研究発表がありました。
ずいぶん遠い昔の先祖たちも絵を描いていたようです。
芸術の進化的な起源から見ると、絵には道具によって痕跡が残ること、
もう少し高度になると、頭にイメージしたことを表出することの面白さがあるといいます。
また、のちに絵はコミューニケーション・伝達の手段になりました。
古代文明の遺跡は絵を通して神と王の物語や文化や習慣、知識を後世に伝えています。
絵とは何か?
何をもって絵とするのかについては諸説あります。
中世に生まれた「絵画論」で挙げているのは3つの根源。
「影」と「痕跡」と「水鏡」。
「影」。
これはローマ帝国時代のプリニウスが『博物誌』で伝えた
戦地に赴く恋人の影の輪郭を描いたことから絵は生まれたというもの。
「痕跡」。
これはキリストが十字架の道行きで差し出されて顔を拭った布や
それ以前にキリスト自ら顔を押しつけた麻布に顔が映し出されていて
そこから最初の肖像画が生まれたというもの。
「水鏡」。
これは、泉の水面に映った自分を美少年だと思い、恋焦がれ、衰弱して、
ついには水仙になったというナルキッソスの神話に由来します。
ナルキッソスが絵を描いたわけではありませんが、
思う対象を残したい、近づきたいというのも確かに芸術の根源かもしれません。
今年7月、インドネシア スラウェシ島の複数の洞窟で見つかっている狩猟の壁画が、
現生人類最古の5万1,200年前に描かれた可能性があるという研究発表がありました。
ずいぶん遠い昔の先祖たちも絵を描いていたようです。
芸術の進化的な起源から見ると、絵には道具によって痕跡が残ること、
もう少し高度になると、頭にイメージしたことを表出することの面白さがあるといいます。
また、のちに絵はコミューニケーション・伝達の手段になりました。
古代文明の遺跡は絵を通して神と王の物語や文化や習慣、知識を後世に伝えています。
絵とは何か?
何をもって絵とするのかについては諸説あります。
中世に生まれた「絵画論」で挙げているのは3つの根源。
「影」と「痕跡」と「水鏡」。
「影」。
これはローマ帝国時代のプリニウスが『博物誌』で伝えた
戦地に赴く恋人の影の輪郭を描いたことから絵は生まれたというもの。
「痕跡」。
これはキリストが十字架の道行きで差し出されて顔を拭った布や
それ以前にキリスト自ら顔を押しつけた麻布に顔が映し出されていて
そこから最初の肖像画が生まれたというもの。
「水鏡」。
これは、泉の水面に映った自分を美少年だと思い、恋焦がれ、衰弱して、
ついには水仙になったというナルキッソスの神話に由来します。
ナルキッソスが絵を描いたわけではありませんが、
思う対象を残したい、近づきたいというのも確かに芸術の根源かもしれません。