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REPORT

第31回 5月19日「扇風機」前編
2024.05.19
扇風機には「扇」の漢字が使われていますが
古代の日本人が涼をとるために使ったのが「扇」。

その扇については、日本書紀に登場する神功皇后と家臣の武内宿禰が発明したとか
天智天皇の時世に現在の京都府北部に位置した丹後国で考えられたなど
いろいろな言い伝えがありますが、真偽のほどは定かではありません。 
ともあれ、平安時代には檜で作った板扇や紙で作った紙扇が考案されて
団扇や扇子が広まったと考えられています。

人間は発見や発明を知恵や工夫を凝らして、さらに発展させるもの。
時は流れて、江戸時代後期になると楽をしてもっと涼しくならないか?と考えたのか
日本人は手動式の扇風機を編みだします。それが「団扇車」。

団扇を扇風機の羽根のように複数枚、円を描くように並べて取り付け、
それらをまとめた中央部の取っ手を回すと、よりたくさんの風が生まれる装置。
団扇車は明治時代になって近代化が進む日本でも引き続き使われて
1885年(明治18年)には特許第12号「納涼団扇車」として記録されています。

そして、ほどなく訪れたのが、電気エネルギーが生活用品に使われる時代。
エジソンが電気を利用する扇風機を開発し、
アメリカの製品が日本で初めて発売されたのは1893年(明治26年)。
翌年には外国の技術を導入した初の国産製品も発売されます。

当時の家電製品は、ほぼ白熱電球と扇風機だけ。
扇風機は家電製品の先駆けの1つだったのです。
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