第13回 1月14日「クルマ」後編
2024.01.14
19世紀終わりのドイツで生まれたクルマ。
しかし、当初の生産数は少なく、もちろん道路も整備されていません。
馬車業界からの横槍も入り、広く普及するまでには時間がかかりました。
大きな転機は1909年に米のフォード社がライン生産方式で自動車の量産を始めたこと。
早く、安価に作れるようになったクルマは富裕層から広く庶民へと普及していきました。
日本で初めての純国産のガソリン車が実用化されたのは1907年(明治40年)。
ただ、これは皇族の依頼で10台ほどの製造したもの。
その後、国産自動車の実用化を目指す挑戦は度々ありましたが、
当時の日本の科学技術では実を結びませんでした。
変化の兆しは昭和になってから。
1932年(昭和7年)に日産自動車の前身“ダットサン商会”が誕生。
翌年、トヨタ自動車の前身が、豊田自動織機製作所の中に自動車部として設立。
しかし、やがて戦時体制下となり、乗用車開発は中断を余儀なくされます。
そして、戦争が終わり、復興期へ向かうと高度経済成長期の到来とともに、
ようやく日本の自動車産業は大きく花開くことになります。
特に1970年台から求められるようになった燃費性能やコンパクトさの部分で
日本車は海外から高い評価を受け、自動車産業は国の基幹産業となりました。
現在はガソリン車からEV車へのパラダイムシフトが起こり、新たなフェーズへ突入。
しかし、いつの時代も自由で楽しい移動手段として、
私たちを好きな場所へ連れて行ってくれることは変わりません。
安全運転をしながら、先人の知恵と努力でできたクルマに感謝しましょう。