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雲 雲 雲 木 人々 街並み
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ABOUT

毎週日曜日14:55-15:00(FM FUKUOKAのみ10:55-11:00)オンエア!毎回、世の中の”モノ”を取り上げ、そのモノの 歴史からイマ、未来をショートストーリー仕立てでお送りする番組です。身近なモノが少し、へえ~となるお話をお届けします。

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笠間 淳

声優。4月10日生まれ、広島県出身。
主な出演作品は、ナレーション「すくすく子育て」(NHK Eテレ)、劇場アニメ「THE FIRST SLAM DUNK」(三井寿)、アニメ「ガンダムビルドダイバーズ」(クジョウ・キョウヤ)、アニメ「お前はまだグンマを知らない」(轟二矢)、アニメ「タブー・タトゥー」(カーター)、ゲーム「アイドルマスター SideM」(葛之葉雨彦)など。

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笠間 淳

REPORT

  • 2023.12.03
    第7回 12月3日「紙」前編
    今週と来週のテーマは世界の生産量 年間4.2億トン
    日本はアメリカ、中国に次いで2,400万トンで世界3位
    消費量でいうと国民ひとり当たり約250キログラム・・・ なんだか分かりますか? 
    正解は「紙」。 

    周囲を見まわせば、ノート、新聞、カレンダー、本 etc・・・ 
    何らかのカタチでそこにありませんか? 紙。
    いつ頃、どこで生まれたのか? ご存知でしょうか。

    歴史の授業で習った古代エジプトの「パピルス」。
    英語の「paper」という言葉の由来にもなっていて
    日本語では「パピルス紙」とも呼ばれますが
    植物の茎を並べて作ったものなので、厳密には「紙」ではありません。 
    他にも羊の皮や粘土板、木簡などが記述道具として用いられましたが、
    もちろんこれらも「紙」ではありません。
    紙の発祥と考えられているのは、紀元前2世紀頃の中国。

    「紙」とは水中でばらばらにした植物などの繊維を薄く平らにのばして乾かしたもの。
    中国で製紙法が発明されると、後漢時代の役人だった蔡倫という人物が、これを改良。
    使いやすい実用的な紙が作られるようになったと言われています。
    ちなみに蔡倫が紙作りに使った材料は麻のボロきれや樹皮だったそうです。

    日本に紙が伝わったのは推古天皇の時代の610年。
    曇徴という高句麗の僧侶が墨とともに伝えたと言われています。
    伝播当初、使われていた材料は「麻」。
    その後「コウゾ」や「ガンピ」などの植物も原料として使われるようになり、
    紙を抄く方法にも改良が加えられ、日本独自の“和紙”が発展しました。
    国内で現存する最古の紙は、702年の大宝律令の際に使われた戸籍用紙。

    中国で生まれた紙は長い時間をかけて世界に広がっていきました。
    発明から1千年後の8世紀には西アジアへ。その後、エジプトを経由して地中海沿岸へ。
    そして、ヨーロッパに伝わったのは1,400年後の12世紀と考えられています。
    そんな紙が、どうやって今のように大量生産されるようになったのか? 
    それは、また来週のお話。
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  • 2023.11.26
    第6回 11月26日「薬」後編
    今週は「薬」の後編。
    長らく、人類は経験と知恵で植物、動物、鉱物の薬効を見つけて使ってきました。
    一方で、なぜ病になるのか? どうすればならないのか? 考えてきました。
    そうして病気の科学として「医学」が確立したとされるのが17世紀から18世紀。

    当時の人間の寿命はどのくらいだったのか? 
    さまざまな研究がありますが、ある資料によると18世紀半ばのイングランドは35歳。
    19世紀前半の日本は34歳。世界平均では1820年で26歳です。
    現代の世界の平均寿命は73歳を超えました。 
    そこに大きな貢献を果たしたのが医薬品の開発でしょう。

    薬学が大きく飛躍したのは19世紀。
    1804年、ドイツの薬剤師ゼルチュナーがアヘンから鎮痛成分を取り出すことに成功。
    この成分は眠りの女神「モルフィウス」にちなんで名称をつけられました。
    今も痛みを緩和するなどの目的で投与される「モルヒネ」です。
    ここから、古来の薬草などから有効成分を取り出す研究が一斉に始まり、
    様々な物質が分離されました。

    20世紀に入ると化学や生物学の進歩によって、
    次々と新しい発見や発明がもたらされました。
    1928年にはイギリスのフレミングがペニシリンを発見。
    初の抗生物質として1940年頃に治療に用いられるようになります。
    1944年にはストレプトマイシンが発見され
    「不治の病」だった結核に画期的な治療法が生まれました。

    その後、医薬品開発は、薬理学・生理学・生化学の進歩で分子レベルでの研究が進み、
    合成技術・製剤技術の進歩と相まって驚くべき速さで進展。
    そうして、製造された医薬品の保管を扱う倉庫には、薬剤師が常駐しています。

    いま、わたしたちが病気やケガから、薬の力を借りて回復できるのも、
    さまざまな人たちの努力があってのことなんですね。

    ところでドラマの『水戸黄門』で、毎回クライマックスに出る名シーン、
    「この印籠が目に入らぬか!」の印籠は携帯の薬入れです。
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  • 2023.11.19
    第5回 11月19日「薬」前編
    病気になった時、ケガをしてしまった時、体調の回復を促してくれる「薬」。
    現代の医薬品は、安全性や品質保持のため、それぞれに対応した取り扱いが必要、
    倉庫での保管や輸送には高い専門性が求められますが、
    人類の歴史を遡ると、元は植物や、動物、鉱物などを起源としたものでした。
    治療に役立つものを経験と知恵で見つけ、飲んだり、傷につけたりしたことが始まりです。

    紀元前4000年頃のメソポタミア文明の粘土板には、
    数多くの植物の名前が薬用として記されています。
    中国の薬物書『神農本草経』が書かれたとされのは西暦100年頃。
    「神様」の“神”と「農業」の“農”と書く神農は自ら草や木の根を口にして薬効を調べ、
    何度も毒にあたっては、薬草の力で甦ったとされる神様です。

    日本で古くに薬について書かれたのが、古事記にある、あの「因幡の白兎」のお話。
    からかったサメに皮を剥がされてしまったウサギが泣いていると、
    大国主命が「真水で体を洗って蒲の花粉を体にまぶしなさい」とアドバイス。
    ウサギが言われた通りにすると、毛が生えて、元の姿に戻ることができた・・・ 
    これは当時、考えられていた蒲の薬効でしょう。

    それから、しばらく前から大ブームのスパイスカレー。
    スパイスはカレーの材料というだけではなく、
    世界各地で料理に使われ、漢方薬の原料でもあります。
    それは高い薬膳効果や薬効があるから。

    例えば、カレーの黄色くしているターメリック(ウコン)は、肝機能強化や消化の促進。
    お酒を飲む前後用のウコンドリンクもありますよね。 
    緑のサヤに入った爽やかな香りがするカルダモンは疲労回復。

    インドではお母さんが家族の体調に合わせて、料理に使うスパイスを決めるといいます。
    薬はそんな誰かを思う愛情から生まれて、発展してきたものかもしれませんね。
    この話の続きは・・・ また次回。
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  • 2023.11.12
    第4回 11月12日「ワイン」後編
    先週は「ワイン」の発祥が、ジョージアだとお伝えしました。 
    ただ、それはかなり原始的だったので
    ルーツを起源3千年頃の古代エジプトに見る説もあります。

    古代エジプト遺跡からは、ブドウ栽培の様子、ブドウを足でつぶして果汁にしている人、
    果汁を発酵させる「アンフォラ」という陶器、などが描かれた壁画が見つかっています。
    それはまさに当時のワイン工場!

    そのワインは紀元前1500年頃、エジプトからギリシャに伝わり、大きく発展しました。
    酒の神様バッカスがワインをもたらしたという神話が生まれ飲む習慣が広まったのです。
    そして、決定打はキリスト教とローマ帝国。キリスト教でワインは「キリストの血」。 
    教会や修道院がブドウ栽培とワイン造りに力を入れます。
    そのキリスト教をローマ帝国が国教にしたことで広く世界へ伝わっていきました。

    2021年のワイン生産量を見ると1位はイタリア、2位はスペイン、3位はフランス。
    以下、アメリカ・アルゼンチン・オーストラリア・中国・チリ・南アフリカ。
    ワインには4位以下のような国を指す「第三世界」という言葉があります。
    かつては「ワインの新興国、大したことない」という揶揄を含みましたが、
    そんな意識はなくなってきています。


    流通が発達した昨今、第三世界のワインの安さと美味しさに驚いた事がある人は多いはず。
    実はワイン大国のフランスもアメリカに助けられたことがあります。
    19世紀後半、フランスのブドウの木はフィロキセラという害虫に壊滅的な打撃を受けました。
    この虫はアメリカ由来でアメリカ産のブドウの木には免疫があることが発見されます。

    そこで考えられたのが、輸入したアメリカの苗を土台にして地元の苗を接木するアイデア。
    ただ、「フランスのブドウが汚染される」という声が上がります。
    当時、アメリカワインの評価は酷かったからです。

    しかし、この方法は採用したことでフランスワインは復活!
    フランスがアメリカから輸入した苗木の多くは、
    かつてフランスからアメリカに運ばれた木の子孫でした。

    世界は繋がっているんですね。
    そんなことに思いを巡らながら飲むワインも乙なもの。
    ボージョレ・ヌーボー解禁を前に、今夜、一杯どうですか?
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  • 2023.11.05
    第3回 11月5日「ワイン」前編
    この時期になると解禁の日を楽しみに待っている方は多いでしょう。フランス ボージョレ地方で収穫されるガメイ種の赤ワイン
    「ボージョレ・ヌーボー」の解禁。

    ボージョレ・ヌーボー解禁日は世界共通で毎年11月の第3木曜日。
    今年は11月16日なので、あと11日!
    様々な地域に最初のボトルを届けるための物流業界の努力は大変なもの。
    今頃、忙しい最中でしょうか?
    今年は優良ヴィンテージだという予想が多く、楽しみですね。

    ところで世界で愛されるワイン。
    いつ頃、どんなふうに生まれたのか、ご存知ですか?

    通説は1991年にソビエト連邦から独立したジョージア。
    紀元前6千年頃、コーカサス山脈から黒海にかけての地域でワインが造られていたことが、
    考古学の研究によって裏付けられています。ということは8千年以上の歴史!
    ジョージアには粘土を素焼きした卵型の壺「クヴェヴリ」を利用する
    独自のワイン製法があります。

    バクテリアの侵入を防ぐため、壺の内側を蜜蝋でコーティングしたクヴェヴリを
    20cmほど地中へ埋め、中へつぶしたブドウを入れる。
    それを厚手のガラスや木で蓋して、地表の高さまで粘土で密封、上に砂を盛る。
    土の中の「クヴェヴリ」は低温に保たれるため、ブドウの発酵と熟成はゆっくり進み、
    5〜6ヶ月後に別のクヴェヴリに移すことで自然濾過してさらに熟成させるか、
    そのまま瓶詰めしてワインが完成という工程。

    ジョージアの隣国アルメニアの洞窟では、
    6千年程前のワイン醸造の遺跡が見つかっています。
    クヴェヴリと同じようなカラス(KARAS)と呼ばれる壺があり
    中に残っていたブドウの成分はワイン。
    これが現在発見されている世界最古のワイナリー。

    ジョージアの「クヴェヴリ」によるワイン製造は、
    手間も時間もかかるため、19世紀頃から廃れてきました。
    ところが2013年にユネスコの「無形文化遺産」に登録。
    独自の文化が評価されたことで、今また生産が増えているといいます。

    ジョージアのワイン、飲んだことはありますか?
    ボージョレ・ヌーボー解禁前に、発祥の地のワイン、
    中でもクヴェヴリ製法で作ったものを飲んでみてはどうでしょう?
    そのジョージアから世界に広まったワインの物語、来週も続きます。


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  • 2023.10.29
    第2回 10月29日「コーヒー」後編
    前回、コーヒー発祥の地は東アフリカのエチオピアだとお伝えしました。
    それは1千年以上も前のこと。
    そこから、どうやって今のように世界で飲まれるようになったのか?

    まずはエチオピアから紅海を挟んだアラビア半島に渡り、
    イスラム教全土へ広まったと考えられています。
    当初のコーヒーは実を潰して団子状にして食べていたようです。
    その後、実と葉を一緒に煮て煮汁を飲むようになり、
    実の皮と種を天日で乾かして使うようになり、
    種を煎って粉にするようになったのは13世紀頃から。

    そして、世界で初めてコーヒーショップが生まれたとされているのは
    1510年頃のエジプトのカイロ。
    1554年にはトルコのイスタンブールに「カヴェー・カネス」という
    著名なコーヒーショップが誕生しています。
    この時にはコーヒー豆を煎り、石臼で挽き、煮出して飲む、
    今と同様の飲み方が確立していました。

    海を通じて世界の交流が活発になったのがこの頃。
    コーヒーの産地となっていたポルトガル領のインドネシア ジャワ島から
    コーヒーはヨーロッパへ広がり、1652年にはイギリスのロンドンにも
    コーヒーショップがオープンしています。

    それから350年以上が経った今、コーヒーは多くの国で生産され、
    品種も増え、コーヒーを嗜好する私たちを楽しませてくれています。
    ちなみに2021年の国連のデータによると生産量ベスト5は・・・

    第5位 エチオピア 

    第4位 コロンビア 

    第3位 インドネシア 

    第2位 ベトナム 

    第1位 ブラジル 

    南米のコロンビアやブラジルが入っているというのは、
    アフリカ〜中東〜アジア〜ヨーロッパを経ての南米と、
    コーヒーが伝播していった地球の繋がりを感じますね。

    この「未来に“つなぐ”物語」の最初のテーマ「コーヒー」は、
    人類が発見・発明した極上に美味しく、元気になる果実。
    それを、過去から現在に工夫・改良しながら引き継いできた宝物だったんですね。

    これからコーヒーを飲む時には、そんな歴史を噛み締めながら、
    至福の一杯を味わってみて下さい。
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