Vol.48 「俳句甲子園」 愛媛県松山市
今回のタカラモノは、日本文化を代表する定型詩、五・七・五の「俳句」です。
「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」で有名な俳人・正岡子規が生まれて今年で150年。
そのふるさとの愛媛県松山市を舞台に、毎年こんな大会が行われています。
それは「俳句甲子園」。
「俳句甲子園」は高校生の競技大会。
5人1チームで赤白に分かれ、鑑賞力を計ります。
勝敗は俳句の出来だけではなく、質疑応答でのディベートも面白く、
その鑑賞力も評価に入るんだそうです。
審査員の支持を得た方が勝ち。つまり試合になっています。
NPO法人「俳句甲子園」実行委員会、会長の日野裕士(ひの・ゆうじ)さんに伺いました。
「もともと、松山市というのは俳句が盛んな所でして、
小学生中学生の中には、大変、みずみずしい感覚を持った生徒たちがいるんですね。
でも、高校生になると俳句を辞めてしまうわけです。
なんとか気持ちを俳句に向けさせたいという想いから、
俳句甲子園というものをはじめました。」
俳句甲子園がはじまって、今年で20回。
俳句をはじめる高校生は、年々増えているんだそうです。
「俳句というものを学ぶ上で一番大切なことは、季語をいかに知っていくか、ということ。
俳句を学ばなければ、見えなかったものが見えてくるようになる。
聞こえなかったものが聞こえるようになる。
心豊かな高校生たちが、本当にたくさん増えているように思います。」
いままで聞こえなかったものが、聞こえるようになる。
そんな感性を養えるのは俳句だからこそ。
最後に日野さんから、高校生へ向けた一句、詠んでいただきました。
「待ち人来ず 画面をなぞる 指へ雪」 三津浜わたる(俳号)
※説明
俳句を始めると、「待つ」という行為も苦にならなくなるものです。