アーカイブ

備えていますか?大規模地震対策

備えていますか?大規模地震対策

あなたは地震対策していますか?
地震が発生してからではなく、日頃から備えること、そして地震発生後に私たちがとるべき行動があります。
今回は、「備えていますか? 大規模地震対策」というテーマで学びました。
続きを読む
(杉浦)
今年の8月8日に、「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたこと、佳菜子ちゃん、覚えてる?

(村上)
もちろんです。テレビでも放送されてましたし、驚きましたよね。初めてでした。

(杉浦)
南海トラフ地震臨時情報は、2019年に提供が始まったものなんだけど、発表されたのはあの時が初めてだったから、驚いたかたも多かったみたいだよね。

(村上)
南海トラフ地震が発生する可能性が普段と比べて高まっているって聞いて、やっぱり慌てたかたも多かったでしょうね?

(杉浦)
また時期がお盆前だったから、揺れが予想される地域に帰省とか旅行を予定していたかたが急きょ、移動を控えたり、海水浴場が遊泳禁止になったりとかね。

(村上)
ありましたね。お水などを買いだめしたかたもいたみたいですよ。

(杉浦)
やっぱり、みんな焦っちゃうよね。花火やお祭りなどのイベントとかも、自治体によって対応が違って、混乱が生じたこともあったんだって。

(村上)
私たちも、初めてのことだったから、どうしたらいいのか不安になりましたよね。

(杉浦)
そこで今日は、改めて南海トラフ地震をはじめとする大規模地震対策について、講師のかたに伺っていきます。内閣府防災担当参事官補佐の福山 由朗さんです。

(村上)
福山さん、日本は世界的に見ても地震が多い国で、今後も大規模な地震が起こる可能性が高いと言われていますけど、現状はいかがですか?

(福山)
決して脅すつもりではありませんけれども、ここ数年の地震発生の状況などを振り返ってみますと、やはり、マグニチュード7以上の大規模地震は、今、この瞬間に発生しても、全くおかしくない、そういった状況です。

(村上)
そうなんですね。そもそも、今後、日本で発生しそうな大規模な地震って、どういうものがあるんですか?

(福山)
政府に設置している「中央防災会議」では、防災基本計画の作成や、防災に関する重要事項の審議などを行っています。この会議では「発生確率・切迫性が高い」とか「経済・社会への影響が大きい」などの観点から、対象とする大規模地震を四つ選定しています。

(村上)
その四つとは?

(福山)
はい。この後のテーマにもなります「南海トラフ地震」。それと、「日本海溝・千島海溝周辺 海溝型地震」。これは、北海道から東北の太平洋側で起こるとされている大規模地震です。それと、皆さんよくお聞きになっている「首都直下地震」。そして、2022年から検討を開始した「中部圏・近畿圏 直下地震」この四つです。

(杉浦)
佳菜子ちゃん、今、僕たちの手元に揺れが想定される地域が一目で分かる地図があるんだけど。

(村上)
この地図を見ると、日本の太平洋側、全部と言っても過言ではないですね。

(福山)
はい。特に今後30年以内に大規模地震の発生確率が高いのが、「南海トラフ地震」。これは、静岡県の沖合から宮崎県の沖合にかけてのプレート境界を震源とする地震です。それと、「首都直下地震」です。具体的な数字ですが、「南海トラフ地震」はマグニチュード8から9クラスの地震が発生する確率が、70パーセントから80パーセント。「首都直下地震」はマグニチュード7クラスの地震が発生する確率が70パーセント程度とされています。

(村上)
どちらの地震も、もういつ起こってもおかしくないということですよね。

(福山)
おっしゃる通りです。

(杉浦)
福山さん、中央防災会議では、実際に大規模地震が発生した時の被害も想定されてるんですよね。

(福山)
はい。今回は「南海トラフ巨大地震」の被害想定になりますけれども、静岡県から宮崎県にかけて大規模な地震が発生した場合。これは、東日本大震災と同じくらいの規模の地震が発生した場合という仮定になります。そうしますと、非常に広い範囲で、震度7の激しい揺れが想定されております。それと、関東地方から九州地方の太平洋沿岸の広い地域には10メートルを超える大きな津波が襲来することが想定されています。

(杉浦)
死者数とか建物への影響も予想されてまして、地震が冬の深夜に発生すると、死者が最大になると予想され、その数は、およそ32万3,000人。地震が冬の夕方に発生すると、全壊・焼失する建物が最大になると予想され、その数は、およそ238万6,000棟です。

(村上)
え…時間によってこんなに大きく変わるんですね。

(福山)
はい。冬の深夜に大きな地震が発生しますと、強い揺れによって停電が発生します。そうすると、すぐに襲ってくる津波からの避難にどうしても逃げ遅れてしまうと。そういう理由から、死者数が最も多くなることが予想されております。また、冬の夕方に大きな地震が発生しますと、夕食の準備とか暖房器具など火を使っている場面ということ、空気が乾燥している時期になりますから、一回火が出ますと燃え広がって、火災による建物被害が最も多くなるという想定になっております。

(杉浦)
南海トラフ地震は揺れや津波が想定される地域が広いので、経済的な被害も大きいですよね。

(福山)
はい。特に中部圏、村上さんの地元の愛知県、名古屋や杉浦さんのご出身の大阪は非常に大きな経済圏になっております。そこが甚大な被害を受けることになりますので、資産や経済活動への影響などで、200兆円を超える被害額が想定されています。

(杉浦)
こうした被害を少しでも少なくできるように、提供が始まったのが、南海トラフ地震臨時情報なんですよね。

(村上)
福山さん、改めて、今年8月に発表された「南海トラフ地震臨時情報」はどういうものなのか教えていただけますか。

(福山)
はい。「南海トラフ地震臨時情報」は、想定震源域内やその周辺でマグニチュード7クラス以上の地震が発生するなどの、異常な現象が観測された場合に、南海トラフ地震が発生する可能性がいつもと比べて相対的に高まったとして、気象庁から発表される情報です。実は、現在の科学技術では、地震が「いつ」、「どこで」、「どのくらいの規模」で発生するのか、確かに予想するのは難しい状況ですけれども、南海トラフ地震については、過去の経験から大きな地震が繰り返し発生してきていることが分かっておりますし、今の科学技術を使って気象庁が観測データをリアルタイムで収集し、常時監視しています。

(杉浦)
8月8日の発表の時は、宮崎県で震度6弱の揺れを観測したマグニチュード7.1の地震があったので、「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたということですね。

(福山)
そうですね。南海トラフ沿いでは、おおむね100年から150年の間隔で大きな地震が繰り返し発生しているという特徴があります。前回がおよそ80年前になるんですけれども、もう今は、いつ起きてもおかしくない状況なんです。また、南海トラフ沿いの地震では、複数の領域で同時に発生するパターンと、領域ごとに時間をおいて発生するパターンがあります。

(村上)
前回はどうだったんですか?

(福山)
前回は1944年に南海トラフ沿岸の東側の領域で、「昭和東南海地震」というマグニチュード8クラスの大きな地震がありました。その2年後の1946年に今度は西側の領域で「昭和南海地震」、これも、マグニチュード8を超える大きな地震が発生しました。

(村上)
時間差でくるパターンだったんですね。

(福山)
そうですね。さらにもう一個前まで遡りますと、1854年、江戸時代になりますけれども、東側で「安政東海地震」これもマグニチュード8クラスの大きな地震、そのわずか32時間後に西側で「安政南海地震」やはりマグニチュード8クラスの大きな地震が発生したということがありました。

(村上)
過去の事例だと、南海トラフで発生する大地震は一度では終わらないことも多いということですね。

(福山)
そうですね。一度で終わらないケースもありますし、非常に広い範囲で一回で大きな地震が発生したということもあります。南海トラフ沿い以外の事例ですと、2011年の東日本大震災、まだ記憶に新しいかと思いますが、3月11日に発生しました。その2日前の3月9日にも、東日本大震災の地震が起こった近くでマグニチュード7クラスの地震が発生していました。世界的な事例を確認しても、マグニチュード7以上の地震発生後の7日間は、大規模地震が連続して発生する確率が数倍高くなることが知られています。

(村上)
では、「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたら、私たちはどうしたらいいんですか?前回は混乱もありましたけど。

(福山)
そうですね。やはり「南海トラフ地震臨時情報」発表当時は、認知度があまり高くなく、多少の混乱はあったように思いますが、比較的、皆さん冷静に対応いただけたのかなと思います。臨時情報が発表された時には、政府や地方公共団体などからの呼び掛けに応じた防災対策を取っていただくことになります。また、お住いの地域によっては、津波のリスクがあるところもありますので、それによって、取るべき行動も変わってきますので、まずは、ご自身がどういう地域にお住まいなのか、しっかりと確認いただき冷静に対応いただきたいと思います。基本的には、日頃からの地震への備えを再確認していただくことになります。

(村上)
備えは、もちろん、私も人間用とワンちゃん用をしてますけども、日頃からの地震への備えを再確認、ということですよね。

(福山)
はい。先ほどお話ししたとおり、現在の科学技術では確かな地震予測は困難でありますので、地震は「突発的に発生するもの」ということをしっかりと認識していただく必要があります。そのため、慌てずに防災行動を実施するには、何と言っても日頃からの地震への備えが大切です。その上で、臨時情報が発表された時に、慌てて備えるのではなく、「常日頃から蓄えていた備え」を「再確認」するという意味です。

(杉浦)
情報が発表されてから水や食料を買いだめするんではなくて、そういうことは、日頃からやっておいて、情報が発表された時は、改めてそれを再確認するってことですね。

(村上)
他にはどんなことを確認すればいいですか?

(福山)
一例ですけれども、「室内の対策」、「出火や延焼防止への対策」、「すぐに避難できる態勢の準備」、「地震発生後の避難生活への備え」、こういった点も再確認いただければと思います。

(杉浦)
まずは、命を守るための対策ができているか再確認してほしいですよね。地震の場合は、倒れてきた家具や火災でけがをしたり亡くなるかたも多いですから、「家具は固定できているか」、「窓ガラスの飛散防止対策はできているか」、「ベッドの頭上に物が無いか」、「火災警報器の電池切れが無いか」など、こういうことを、しっかり再確認!ですよね。

(福山)
おっしゃる通りです。その上で迅速な避難ができるように、地域のハザードマップで危険場所、安全な避難場所、避難経路をしっかり確認して、それと、いざという時の、家族との連絡手段や非常持出品の中身のチェック。賞味期限が切れていて使えないということも、よくある話ですので、しっかりとチェックしていただくことが重要です。

(杉浦)
水や食料の備蓄が多めに確保できているか、簡易トイレ、携帯ラジオや携帯電話の予備バッテリーはあるか、こうしたことも再確認ですね。ちなみに備蓄は最低3日程度と言われてますけども、1週間ほど備えるのが望ましいとされているそうですね。

(村上)
太陽さんのところは、家族が多いですから備えるのも大変なのかなと思うんですけど、必要な備えだから、きっちり準備しておかなきゃですよね。他に、備えておかなければいけないものってありますか?

(福山)
はい。一歩進んだ備えの一つの例として、「地震保険」への加入も挙げられます。実は、通常の「火災保険」では地震による火災や損害は補償されないんです。ここはあまり知られていない部分になりますので、改めて各保険会社のページをご覧になって、被災後の生活再建を支える役目を果たしますので、もしもの時に備えて是非、ご加入を検討してみてはいかかでしょうか。地震に関する情報が発表されたら、このように日頃からの地震への備えを再確認した上で、1週間は続けて発生する可能性のある大規模地震に特に注意しながら、通常の生活を送ってください。ただし、1週間が過ぎたからと言って、この後、大規模地震が起こる可能性がなくなったわけではありません。前回の8月8日、臨時情報が出まして、幸いにも大きな地震は発生していませんけれども、「日本では大規模地震はいつ起こってもおかしくない」という状況を常に意識して、日頃から防災対策を徹底してください。

(村上)
今日の話を聞いて私が特に注目したのは「大規模地震対策、備蓄の再確認、必ずしてください。」です。

(杉浦)
再確認大事だよね!僕もです。「大規模地震対策、命を守るための対策、再確認を!」


「 関連リンク 」
政府広報オンライン「「防災・減災」お役立ち情報 災害の情報と備え」
内閣府「地震災害」
内閣府「南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!」
首相官邸「防災の手引き~いのちとくらしをまもるために~」
戻る