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2024.07.28
「使ってよかった」を実感しよう!マイナ保険証
「マイナ保険証」、あなたは利用していますか?
便利だけじゃない、今後の私たちの医療のかかり方にも関わってきます。
迷っているかたも、まずは、メリットを知ることから始めませんか。
今回は、「「使ってよかった」を実感しよう! マイナ保険証」というテーマで学びました。
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便利だけじゃない、今後の私たちの医療のかかり方にも関わってきます。
迷っているかたも、まずは、メリットを知ることから始めませんか。
今回は、「「使ってよかった」を実感しよう! マイナ保険証」というテーマで学びました。
(杉浦)
今日のテーマは「「使ってよかった」を実感しよう! マイナ保険証」です。マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用することなんだけど、佳菜子ちゃんは「マイナ保険証」使ってる?
(村上)
実は、マイナンバーカードを持ってないんですよ。
(杉浦)
あっ!そもそもね。今は国民のおよそ7割がマイナンバーカードを持ってるんだけど、佳菜子ちゃんは少数派ですね。僕は持っているんですけど、マイナンバーカードがあれば、コンビニで住民票の写しとか取得できるし、スマホでいろんな手続が、いつでもどこでも、スピーディーにできるから、めちゃくちゃ便利なんだよね。
(村上)
そうなんですよね。私、この間結婚して、住民票とかを移した時にすごく大変でした。マイナンバーカードを申請しなきゃと思いつつ、ズルズルきています。他にはどんな手続ができるんですか?
(杉浦)
「引っ越し」、「出産・子育て」、「パスポート申請・更新」とかね。あと、「確定申告」もインターネットでラクラクできちゃうから。
(村上)
なるほどね!申請した方がいいじゃん!
(杉浦)
そう。でね、仕事や子育てで忙しい毎日の中で、役所に行って手続するのは手間がかかるじゃない?マイナンバーカードがあれば、サクサクっとできちゃう。佳菜子ちゃんの場合は、これから「引っ越し」や今後は「子育て」があるかもしれないじゃん。そういう時は役に立つんじゃない。
(村上)
「出産・子育て」はすごい気になります。あとやっぱり「確定申告」!
(杉浦)
毎年あるから!それなのよ。そんな佳菜子ちゃんも「健康保険証」は使うでしょ?マイナンバーカードは、健康保険証として利用登録をすれば、「マイナ保険証」として利用できる。
(村上)
そうか。でも私、国民健康保険なんですけど、特に困ること、今のところなくて。
(杉浦)
今のところ、困ることはないでしょ。でもね、これまでの健康保険証は今年の12月2日から新しく発行されなくなるんだよ。今、佳菜子ちゃんが持っている健康保険証は有効期限が切れたら使えなくなるし、12月2日時点で有効期限が残っていても、最大1年間しか有効じゃないんだって。
(村上)
じゃぁ、必然的にタイムリミットが迫っているということですね。
(杉浦)
ただ、マイナンバーカードはその人の申請に基づき交付されるものだから、持つか持たないかはその人次第。だからマイナンバーカードを持っていないかたには、これまでの健康保険証の代わりに被保険者資格の情報などを記載した「資格確認書」が交付されるんだって。資格確認書は、マイナンバーカードは持っているけど健康保険証として利用登録していない人にも交付されるようですね。
(村上)
そうなんだ!健康保険証が発行されなくなるからといって、保険が使えなくなるわけじゃないってことですね。
(杉浦)
ただ、マイナ保険証があれば、これまでの健康保険証にはなかったメリットがある。めちゃ便利。
(村上)
気になりますね、そのメリット。ちなみに、どのくらいのかたが、「マイナ保険証」使ってるんですかね?
(杉浦)
疑問だらけだよね。ここからは、今日の講師に伺っていきましょう!厚生労働省保険局医療介護連携政策課保険データ企画室専門官 小菅 望基人さんです!
(村上)
小菅さん、今、マイナ保険証って、どれくらいのかたが利用されているんですか?
(小菅)
マイナ保険証を利用するには、先ほど、杉浦さんもおっしゃっていましたが、事前に利用登録する必要があります。この登録者はマイナンバーカードを持っている人のうち8割ほどです。
(村上)
へぇー、かなり皆さん、保険証として利用しようと思ってはいらっしゃるんですね。
(小菅)
はい。そのようなんですが、実際に月ごとの利用状況を見ると、6月の利用率はおよそ10パーセントにとどまっています。
(村上)
マイナ保険証を利用できるのに、実際使っている人が少ないということですよね。
(杉浦)
昨年、マイナンバーと健康保険証の「紐付けの誤り」などが複数見つかりましたよね。そうしたことも利用に結び付かない理由の一つになっていそうですよね。
(小菅)
「紐付けの誤り」の原因は、いずれも人によるマイナンバーの入力間違いや、パソコンの操作ミス、登録情報の確認ミスなどから発生したものでした。これに関しては、昨年、総点検が行われ、確認と修正が完了していますし、再発防止策も立てられています。
(杉浦)
マイナ保険証の利用が進まないのは、もしかしたら、メリットに関する情報が正確に伝わっていないからかもしれませんね。ここに、興味深いアンケート結果があるんです。マイナ保険証を利用したことがある人に、「今後もマイナ保険証を利用したいと考えていますか?」と質問したところ、4人中3人が、「今後も利用したい」と回答してます。
(村上)
すごい!それはやっぱり「使ってよかった」を実感したからですよね。
(杉浦)
そうだよね。そこで、ここからは、マイナ保険証のメリットを学んでいきましょう!
(村上)
小菅さん、マイナ保険証を利用すると、どのようなメリットがあるんでしょうか?
(小菅)
はい。マイナ保険証は、いつもの通院で役立つだけではなく、急に治療が必要になった時や、その他の場面でも、様々なメリットがあります!
(杉浦)
マイナ保険証は医療機関や薬局で利用する時、顔認証付きカードリーダーで受付を行うので、今までよりも正確な本人確認が行えるというのがメリットの一つとして知られていますけども、それだけではありません!ここからは、主なメリットを、ピックアップしてひもときましょう。まずは、こちら!「データに基づく、より良い医療が受けられる」!小菅さん、ご説明をお願いします。
(小菅)
はい。顔認証付きカードリーダーで受付を行う際、案内に沿って操作をしていくと医療情報の提供に同意するかしないか、確認を求められます。これに同意すると、医師や薬剤師が過去に処方されたお薬や特定健診などの情報を見られるようになります。これにより、初めて受診する医療機関や薬局でも、総合的な診断が行われ、同じような薬や、飲み合わせのよくない薬を避けた、適切な処方を受けられます。
(杉浦)
自分が前に処方された薬の情報を医師や薬剤師に口頭で伝えるのって難しいよね。薬の名前って複雑なものが多いじゃん。似た名前とか。それに、おじいちゃん、おばあちゃんや、子どもに代わって説明することもあるわけで、そんな時はなおさら大変だよね。でもマイナ保険証で受付をすれば、医師や薬剤師が過去のデータを閲覧できるから、問診の質が高まって、より良い医療が受けられるんだって。うちは子供が4人いて薬の種類や分量がそれぞれ違うから、正確に伝えられるのはありがたい!
(小菅)
また、電子処方箋に対応している医療機関でマイナ保険証を利用すると、さらに適切な医療が受けられます。
(村上)
電子処方箋?
(小菅)
電子処方箋は「処方箋」を紙ではなく、デジタルデータで運用する仕組みです。電子処方箋に対応している医療機関では、マイナ保険証で受付する際、「紙」か「電子」か、処方箋の種類を選ぶことができ、マイナ保険証で見ることのできる全国の医療機関や薬局における過去の薬剤情報に加えて、直近の処方・調剤結果を参照できるようになります。これにより医師や薬剤師は、より適切な診察、処方、調剤ができるんです。
(杉浦)
このポイントは「直近の処方や調剤結果を参照できる」という点ですよね。
(小菅)
はい。マイナ保険証だけでは処方・調剤結果におけるデータの反映まで、最大1か月ほどかかりますが、電子処方箋にも対応した医療機関・薬局間であればリアルタイムで共有されます。例えば、午前中の耳鼻科に続けて、午後は皮膚科に行った場合、午後の皮膚科では、午前中の耳鼻科で処方された薬の情報を確認した上で適切な診察、処方が行えるんです。
(村上)
そんなに早く情報が共有されるなんて、すごいですね!
(小菅)
はい。さらに薬局でも調剤結果が速やかに共有されますので、午後の皮膚科から処方された薬を調剤する薬局は、午前中に耳鼻科から処方された薬を確認した上で適切な調剤が行えるんです。また、電子処方箋に対応している医療機関・薬局では、処方や調剤しようとしている薬と同じ効き目の薬や、飲み合わせのよくない薬を患者さんが他の医療機関・薬局から処方・調剤されていないかどうか、医療機関・薬局のシステム上でチェックできるようになります。
(村上)
ご高齢のかたは複数の病院にかかることも少なくないと思うので、それはとっても安心ですね。
(小菅)
この電子処方箋の導入はすでに始まっていて、2025年3月末までに全国での導入を目指しています。
(村上)
他にはどんなメリットがありますか?
(杉浦)
これは、「手続なしで、高額医療の限度額を超える支払を免除」というのがあります。佳菜子ちゃんは「高額療養費制度」って知ってる?
(村上)
知らないです。小菅さん、それはどういった制度ですか?
(小菅)
「高額療養費制度」は、医療費の家計負担が重くならないように、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月の上限額を超えた場合、その超えた額を支給するというものです。上限額は、年齢や所得に応じて定められています。この制度を利用するためには事前に手続が必要な上、手続をしないと、一旦、高額な医療費をご自身で支払っていただかなければなりません。しかし、マイナ保険証を利用すると、手続をしなくても、限度額を超える支払が免除されるんです。
(村上)
それは便利ですね!手続が一番大変ですからね。マイナ保険証を利用すると、医療費に関係することでもメリットがあるということで、他にも何かありますか?
(小菅)
ここからは、将来的な話で本格的な実施は、来年度からになりますが、救急車の救急隊員がマイナンバーカードを使って、患者さんの情報を見られるようになります。これにより患者さんがどこの医療機関にかかっているのかが分かるので、搬送先を選ぶのに役立つようになります。
(村上)
それはすごい便利!
(杉浦)
救急の時は、一刻を争うことも多いから、マイナ保険証から得られる情報は僕たちの命を守る有益な情報になりますね。
(小菅)
はい。また、来年度中をめどに「電子カルテ情報の共有」の開始を目指しています。これにより診療に必要なカルテの情報などを医療機関の間で共有できるようになる予定です。
(杉浦)
カルテの情報が共有されるようになれば、今よりも詳細な情報を共有できるようになるので、さらに質の高い医療が期待できるんだって。
(村上)
そうなんですね。でも、自分の健康に関する情報って、ものすごくプライベートなものですよね。中には知られたくないこともあるんじゃないですか?
(杉浦)
そういうこともあるからね。だから、さっきも話したけど、過去の医療情報を提供するかしないかは、マイナ保険証で受付する時に自分で選ぶことができるんだよ。
(村上)
そうか!だから、必要に応じて自分で選べばいいってことですね。
(小菅)
今年の12月2日から、これまでの健康保険証は新規発行されなくなります。これまでの健康保険証が使えなくなる前に、医療機関や薬局を受診される際には、マイナ保険証を利用してみてください。マイナンバーカードの保険証利用登録がまだのかたも、医療機関や薬局の窓口にあるカードリーダーですぐに利用登録できます。
(村上)
今日の話で私が特に注目したのは、やっぱり「マイナ保険証のメリットを知ろう!」です。メリットがこんなにあったんだ!ということを、今回、すごい学んだので、そこを知ってほしいなと思いました。
(杉浦)
僕が特に注目したのは、「面倒な手続をしなくてもマイナ保険証がやってくれるよ!」ということです。めちゃくちゃメリットなので、これを伝えたいと思います。
「 関連リンク 」
・厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」
・マイナポータル「マイナンバーカードの健康保険証利用」
今日のテーマは「「使ってよかった」を実感しよう! マイナ保険証」です。マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用することなんだけど、佳菜子ちゃんは「マイナ保険証」使ってる?
(村上)
実は、マイナンバーカードを持ってないんですよ。
(杉浦)
あっ!そもそもね。今は国民のおよそ7割がマイナンバーカードを持ってるんだけど、佳菜子ちゃんは少数派ですね。僕は持っているんですけど、マイナンバーカードがあれば、コンビニで住民票の写しとか取得できるし、スマホでいろんな手続が、いつでもどこでも、スピーディーにできるから、めちゃくちゃ便利なんだよね。
(村上)
そうなんですよね。私、この間結婚して、住民票とかを移した時にすごく大変でした。マイナンバーカードを申請しなきゃと思いつつ、ズルズルきています。他にはどんな手続ができるんですか?
(杉浦)
「引っ越し」、「出産・子育て」、「パスポート申請・更新」とかね。あと、「確定申告」もインターネットでラクラクできちゃうから。
(村上)
なるほどね!申請した方がいいじゃん!
(杉浦)
そう。でね、仕事や子育てで忙しい毎日の中で、役所に行って手続するのは手間がかかるじゃない?マイナンバーカードがあれば、サクサクっとできちゃう。佳菜子ちゃんの場合は、これから「引っ越し」や今後は「子育て」があるかもしれないじゃん。そういう時は役に立つんじゃない。
(村上)
「出産・子育て」はすごい気になります。あとやっぱり「確定申告」!
(杉浦)
毎年あるから!それなのよ。そんな佳菜子ちゃんも「健康保険証」は使うでしょ?マイナンバーカードは、健康保険証として利用登録をすれば、「マイナ保険証」として利用できる。
(村上)
そうか。でも私、国民健康保険なんですけど、特に困ること、今のところなくて。
(杉浦)
今のところ、困ることはないでしょ。でもね、これまでの健康保険証は今年の12月2日から新しく発行されなくなるんだよ。今、佳菜子ちゃんが持っている健康保険証は有効期限が切れたら使えなくなるし、12月2日時点で有効期限が残っていても、最大1年間しか有効じゃないんだって。
(村上)
じゃぁ、必然的にタイムリミットが迫っているということですね。
(杉浦)
ただ、マイナンバーカードはその人の申請に基づき交付されるものだから、持つか持たないかはその人次第。だからマイナンバーカードを持っていないかたには、これまでの健康保険証の代わりに被保険者資格の情報などを記載した「資格確認書」が交付されるんだって。資格確認書は、マイナンバーカードは持っているけど健康保険証として利用登録していない人にも交付されるようですね。
(村上)
そうなんだ!健康保険証が発行されなくなるからといって、保険が使えなくなるわけじゃないってことですね。
(杉浦)
ただ、マイナ保険証があれば、これまでの健康保険証にはなかったメリットがある。めちゃ便利。
(村上)
気になりますね、そのメリット。ちなみに、どのくらいのかたが、「マイナ保険証」使ってるんですかね?
(杉浦)
疑問だらけだよね。ここからは、今日の講師に伺っていきましょう!厚生労働省保険局医療介護連携政策課保険データ企画室専門官 小菅 望基人さんです!
(村上)
小菅さん、今、マイナ保険証って、どれくらいのかたが利用されているんですか?
(小菅)
マイナ保険証を利用するには、先ほど、杉浦さんもおっしゃっていましたが、事前に利用登録する必要があります。この登録者はマイナンバーカードを持っている人のうち8割ほどです。
(村上)
へぇー、かなり皆さん、保険証として利用しようと思ってはいらっしゃるんですね。
(小菅)
はい。そのようなんですが、実際に月ごとの利用状況を見ると、6月の利用率はおよそ10パーセントにとどまっています。
(村上)
マイナ保険証を利用できるのに、実際使っている人が少ないということですよね。
(杉浦)
昨年、マイナンバーと健康保険証の「紐付けの誤り」などが複数見つかりましたよね。そうしたことも利用に結び付かない理由の一つになっていそうですよね。
(小菅)
「紐付けの誤り」の原因は、いずれも人によるマイナンバーの入力間違いや、パソコンの操作ミス、登録情報の確認ミスなどから発生したものでした。これに関しては、昨年、総点検が行われ、確認と修正が完了していますし、再発防止策も立てられています。
(杉浦)
マイナ保険証の利用が進まないのは、もしかしたら、メリットに関する情報が正確に伝わっていないからかもしれませんね。ここに、興味深いアンケート結果があるんです。マイナ保険証を利用したことがある人に、「今後もマイナ保険証を利用したいと考えていますか?」と質問したところ、4人中3人が、「今後も利用したい」と回答してます。
(村上)
すごい!それはやっぱり「使ってよかった」を実感したからですよね。
(杉浦)
そうだよね。そこで、ここからは、マイナ保険証のメリットを学んでいきましょう!
(村上)
小菅さん、マイナ保険証を利用すると、どのようなメリットがあるんでしょうか?
(小菅)
はい。マイナ保険証は、いつもの通院で役立つだけではなく、急に治療が必要になった時や、その他の場面でも、様々なメリットがあります!
(杉浦)
マイナ保険証は医療機関や薬局で利用する時、顔認証付きカードリーダーで受付を行うので、今までよりも正確な本人確認が行えるというのがメリットの一つとして知られていますけども、それだけではありません!ここからは、主なメリットを、ピックアップしてひもときましょう。まずは、こちら!「データに基づく、より良い医療が受けられる」!小菅さん、ご説明をお願いします。
(小菅)
はい。顔認証付きカードリーダーで受付を行う際、案内に沿って操作をしていくと医療情報の提供に同意するかしないか、確認を求められます。これに同意すると、医師や薬剤師が過去に処方されたお薬や特定健診などの情報を見られるようになります。これにより、初めて受診する医療機関や薬局でも、総合的な診断が行われ、同じような薬や、飲み合わせのよくない薬を避けた、適切な処方を受けられます。
(杉浦)
自分が前に処方された薬の情報を医師や薬剤師に口頭で伝えるのって難しいよね。薬の名前って複雑なものが多いじゃん。似た名前とか。それに、おじいちゃん、おばあちゃんや、子どもに代わって説明することもあるわけで、そんな時はなおさら大変だよね。でもマイナ保険証で受付をすれば、医師や薬剤師が過去のデータを閲覧できるから、問診の質が高まって、より良い医療が受けられるんだって。うちは子供が4人いて薬の種類や分量がそれぞれ違うから、正確に伝えられるのはありがたい!
(小菅)
また、電子処方箋に対応している医療機関でマイナ保険証を利用すると、さらに適切な医療が受けられます。
(村上)
電子処方箋?
(小菅)
電子処方箋は「処方箋」を紙ではなく、デジタルデータで運用する仕組みです。電子処方箋に対応している医療機関では、マイナ保険証で受付する際、「紙」か「電子」か、処方箋の種類を選ぶことができ、マイナ保険証で見ることのできる全国の医療機関や薬局における過去の薬剤情報に加えて、直近の処方・調剤結果を参照できるようになります。これにより医師や薬剤師は、より適切な診察、処方、調剤ができるんです。
(杉浦)
このポイントは「直近の処方や調剤結果を参照できる」という点ですよね。
(小菅)
はい。マイナ保険証だけでは処方・調剤結果におけるデータの反映まで、最大1か月ほどかかりますが、電子処方箋にも対応した医療機関・薬局間であればリアルタイムで共有されます。例えば、午前中の耳鼻科に続けて、午後は皮膚科に行った場合、午後の皮膚科では、午前中の耳鼻科で処方された薬の情報を確認した上で適切な診察、処方が行えるんです。
(村上)
そんなに早く情報が共有されるなんて、すごいですね!
(小菅)
はい。さらに薬局でも調剤結果が速やかに共有されますので、午後の皮膚科から処方された薬を調剤する薬局は、午前中に耳鼻科から処方された薬を確認した上で適切な調剤が行えるんです。また、電子処方箋に対応している医療機関・薬局では、処方や調剤しようとしている薬と同じ効き目の薬や、飲み合わせのよくない薬を患者さんが他の医療機関・薬局から処方・調剤されていないかどうか、医療機関・薬局のシステム上でチェックできるようになります。
(村上)
ご高齢のかたは複数の病院にかかることも少なくないと思うので、それはとっても安心ですね。
(小菅)
この電子処方箋の導入はすでに始まっていて、2025年3月末までに全国での導入を目指しています。
(村上)
他にはどんなメリットがありますか?
(杉浦)
これは、「手続なしで、高額医療の限度額を超える支払を免除」というのがあります。佳菜子ちゃんは「高額療養費制度」って知ってる?
(村上)
知らないです。小菅さん、それはどういった制度ですか?
(小菅)
「高額療養費制度」は、医療費の家計負担が重くならないように、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月の上限額を超えた場合、その超えた額を支給するというものです。上限額は、年齢や所得に応じて定められています。この制度を利用するためには事前に手続が必要な上、手続をしないと、一旦、高額な医療費をご自身で支払っていただかなければなりません。しかし、マイナ保険証を利用すると、手続をしなくても、限度額を超える支払が免除されるんです。
(村上)
それは便利ですね!手続が一番大変ですからね。マイナ保険証を利用すると、医療費に関係することでもメリットがあるということで、他にも何かありますか?
(小菅)
ここからは、将来的な話で本格的な実施は、来年度からになりますが、救急車の救急隊員がマイナンバーカードを使って、患者さんの情報を見られるようになります。これにより患者さんがどこの医療機関にかかっているのかが分かるので、搬送先を選ぶのに役立つようになります。
(村上)
それはすごい便利!
(杉浦)
救急の時は、一刻を争うことも多いから、マイナ保険証から得られる情報は僕たちの命を守る有益な情報になりますね。
(小菅)
はい。また、来年度中をめどに「電子カルテ情報の共有」の開始を目指しています。これにより診療に必要なカルテの情報などを医療機関の間で共有できるようになる予定です。
(杉浦)
カルテの情報が共有されるようになれば、今よりも詳細な情報を共有できるようになるので、さらに質の高い医療が期待できるんだって。
(村上)
そうなんですね。でも、自分の健康に関する情報って、ものすごくプライベートなものですよね。中には知られたくないこともあるんじゃないですか?
(杉浦)
そういうこともあるからね。だから、さっきも話したけど、過去の医療情報を提供するかしないかは、マイナ保険証で受付する時に自分で選ぶことができるんだよ。
(村上)
そうか!だから、必要に応じて自分で選べばいいってことですね。
(小菅)
今年の12月2日から、これまでの健康保険証は新規発行されなくなります。これまでの健康保険証が使えなくなる前に、医療機関や薬局を受診される際には、マイナ保険証を利用してみてください。マイナンバーカードの保険証利用登録がまだのかたも、医療機関や薬局の窓口にあるカードリーダーですぐに利用登録できます。
(村上)
今日の話で私が特に注目したのは、やっぱり「マイナ保険証のメリットを知ろう!」です。メリットがこんなにあったんだ!ということを、今回、すごい学んだので、そこを知ってほしいなと思いました。
(杉浦)
僕が特に注目したのは、「面倒な手続をしなくてもマイナ保険証がやってくれるよ!」ということです。めちゃくちゃメリットなので、これを伝えたいと思います。
「 関連リンク 」
・厚生労働省「マイナンバーカードの保険証利用について」
・マイナポータル「マイナンバーカードの健康保険証利用」