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創造力、無限大 高校生ビジネスプラン・グランプリ

創造力、無限大 高校生ビジネスプラン・グランプリ

高校生のかたはもちろん!周りに高校生がいる人にも、ぜひ知ってほしい未来につながる大会があります!
今回は、「創造力、無限大 高校生ビジネスプラン・グランプリ」というテーマで学びました。
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(杉浦)
佳菜子ちゃんの高校時代は?

(村上)
試合、試合、試合、スケート、スケート、スケート!という感じでした。でも学校も大好きで、文化祭と試合が重なった時でも、午前中に文化祭の開会式に行って、途中で早退してから、試合の公式練習に出たりしました。忙しくても文化祭には出るほど、高校が好きでした。

(杉浦)
分かるわ~。僕も、高校2年でデビューして、クラス委員長もやりながら、ドラマに出演してたけど、途中で忙しすぎて副委員長に下げられたんだよね。いろんな思い出がありますけども、今日学んでいくのは、未来のために、多くの高校生に参加してもらいたいある大会なんです。テーマは「創造力、無限大 高校生ビジネスプラン・グランプリ」!

(村上)
「グランプリ」って、言葉を聞くとスケートの大会を思い出しますね。「グランプリシリーズ」、「グランプリファイナル」ってグランプリが付くので。「グランプリ」という言葉には敏感です!

(杉浦)
佳菜子ちゃんと同じように、燃え上がる高校生も多いんじゃないかな。「高校生ビジネスプラン・グランプリ」は、高校生のビジネスプランを競う全国規模の大会で、2013年度に第1回大会が開催されてから、年々参加校が増えていって、昨年度は、全国の高校数の1割にあたる505校・5014件ものビジネスプランが集まったそうです。

(村上)
すごいですね!めちゃくちゃ注目が高まっている大会なんですね。高校生が考えるビジネスプランって、どんなものがあるのか気になりますね。

(杉浦)
例えば、文房具のスティックのり。「底に残るのりに着目して、最後までのりを無駄なく使用でき、環境に配慮した素材でできた「新型スティックのり」を製造・販売するプラン」や、「忙しいワーキングマザーと、高齢者を結び、買い物の代行を委託することで、子育て世代の負担軽減と高齢者の健康維持を狙ったアプリを開発するプラン」とか。すごくない?過去には、こんなビジネスプランがあったそうですよ。

(村上)
高校生だから、わかる視点がありますよね。

(杉浦)
未来の星だね!希望!では早速、今日の講師に聞いていきましょう。「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を主催されている日本政策金融公庫国民生活事業本部創業支援部長の森本 淳志さんです。森本さんは、この大会の立ち上げから携わっているそうですね。

(森本)
はい。この「高校生ビジネスプラン・グランプリ」は、日本政策金融公庫、略称、日本公庫と言うんですが、ビジネスプランの作成を通じて実社会で求められる「自ら考え・行動する力」を高校生に養ってもらって、「起業を将来の職業選択の一つとして持ってもらいたい。」と、スタートさせた大会です。

(杉浦)
目的は、高校生の創業マインドを向上させることなんですね。

(森本)
そうなんです!実は、若い人に限らず、日本は他の先進国と比べて開業率が低いんです。開業率というのは、直近1年間に開業した事業所の割合で、この割合が日本は、イギリス、フランス、アメリカの半分ほどなんです。

(村上)
開業率が低いのは、よくないことなんですか?

(森本)
一概にそうとも言えませんが、若い人が新しいアイデアで次々と起業していけば、産業は活気づきますし、切磋琢磨して、より良いサービスが生まれる可能性が高まります。そうなると、我々消費者も良いサービスが受けられて、地域や日本全体が元気になりますよね。

(杉浦)
確かに、スマホが登場してから、いろんなサービスが生まれて便利になりましたよね。

(村上)
そうですよね。最近、AIを搭載したサービスが広がっていますよね。レストランでお料理を運んでくれるロボットだったり、何かの相談窓口がチャットボットだったり、経済を元気にするには、新しいビジネスの誕生が不可欠だなって、確かに思いますね。

(森本)
そうですね。そして、そのためには若いうちから起業家のようなマインドを持つことが重要だと我々は思いまして、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を立ち上げました。最近では、「アントレプレナーシップ」を養う場としても注目されています。

(村上)
「アントレプレナーシップ」?初めて聞きました。

(杉浦)
僕も今回初めて聞いたので、予習してきました。「アントレプレナーシップ」は、「様々な困難や変化に対して、与えられた環境のみならず自らの枠を超えて行動を起こし、新たな価値を生み出していく精神」のことです。

(森本)
近年、新型コロナや物価高騰など世界中が影響を受けることが立て続けにありました。こうした、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代を生き抜くためには、「自ら考え、行動する力」であるアントレプレナーシップが、ますます重要なものとなります。

(村上)
この大会に参加すると、そういった力が養われるということですか?

(森本)
はい。主に「自ら学び、考え、課題を見つける力」、「課題を解決するための論理的な思考力」、「他者と協働しながら課題を解決する力」こうした三つの力が身に付くと思っています。

(杉浦)
実際、参加された生徒さんからは、「情報やデータの収集方法や論理的に考えていく手法など、社会で活躍するために必要なたくさんの能力を身に付けることができた。」とか、「ビジネスプランの作成を通じて、各分野の専門家や企業のかたから意見やアドバイスをいただき、自分で主体的に行動することの大切さを学んだ。」といった意見がありました。そして、教員のかたからも、「生徒それぞれが主体的に地域や社会に目を向けて、課題が何なのかを話し合い、解決策を模索する力が養われていると感じた。」などの声が寄せられているそうですよ。

(村上)
参加することで「学びと成長」が期待できる大会なんですね。でも、「ビジネスプラン」を考えようと言われても、そんなに簡単なことじゃないと思うんですけど、アイデアがあってもそれをビジネスにするのは、大変なことじゃないかなと思います。

(杉浦)
佳菜子ちゃんご安心ください。実はこの大会、日本公庫がビジネスプランの作成をサポートしてくれるんですよね?森本さん!

(森本)
はい。日本公庫は、地域の身近な金融機関として、小規模な事業者や創業する企業の皆様などへの融資を行っています。年間、なんと2万6千件以上の「創業」するかたを支援しています。日本公庫が長年培ってきた創業支援や融資の経験・ノウハウを教育の現場でいかして、高校生たちのビジネスプランをサポートしています。

(村上)
なるほど。日本公庫は創業支援のプロなんですね。

(杉浦)
そうなんです!

(村上)
森本さん、日本公庫では、高校生たちのビジネスプランの作成をサポートしてくれるということですが、具体的にはどんなサポートをしてくれるんですか?

(森本)
日本公庫の職員が学校を訪問して、無料で「出張授業」を行っています。「ビジネスとは何か」という基礎的なところから、アイデアの発想方法や実践的なプランの作成、収支計画の立て方まで、しっかりアドバイスします。

(村上)
全国の学校へ出張されるんですか?

(森本)
はい。日本公庫は全国に152の支店がありますし、オンラインでの出張授業も行っています。昨年度は472校に出張し、およそ1100回に及ぶ出張授業を行いました。

(杉浦)
森本さんも出張授業に行かれたことがあるんですよね。生徒さんたちからはどういった相談が寄せられますか?

(森本)
よくあるケースでは、アイディアはすぐに思い付くんですが、それをネットで調べると、すでに世の中にある商品やサービスだったりするケースがあります。そうすると、生徒さんたちはそこで立ち止まってしまいます。そのような場合私たちは、「今あるものと、そこに何か違うものを加えたら、それが新しい価値を生み出すのではないか。」と、そういうアドバイスをしながらサポートしていきます。

(村上)
すごいな~!ビジネスプランは、どんなものでもいいんですか?

(森本)
募集するビジネスプランは、若者ならではの自由な発想や創造力をいかしたもので、「人々の生活や世の中の仕組みをより良いものに変えるビジネスプラン」と「地域の課題や環境問題などの社会的な課題を解決するビジネスプラン」です。

(村上)
これまでにどういったプランがありましたか?

(森本)
昨年度グランプリを獲得したのは、「世界の女性を幸せにするテック・ドミトリー」というプランです。東南アジアや中東・アフリカなどの女性が日本の企業からサポートを受け、無償でITスキルと日本語を学べる寮を開設して、女性の就業を支援するプランでした。

(村上)
森本さんが印象に残っているビジネスプランには、どんなものがありますか?

(森本)
2019年度の大会で、全国3位に相当する審査員特別賞を受賞した生徒さんのビジネスプランです。その生徒さんは自らが発達障害の当事者として抱えていた「生きづらさ」を解決したいという思いから、発達障害児を支援するアプリを考案しました。受賞後に実際に起業に向けて動き始めて、クラウドファンディングによる資金調達のほか、日本公庫の融資も活用して、今年の2月にアプリをリリースしたんです。

(村上)
実際に起業されたかたもいるんですね。

(森本)
スキマバイトアプリで知られる小川 嶺さんは、この大会のOBです。小川さんはファイナリストの10組には選ばれず、ベスト20だったのですが、その時の悔しさをバネに新しいアイデアで起業されました。この大会に参加した生徒さんは、ビジネスプランを練る面白さに目覚めて、将来は起業するという選択肢があることを知って、社会に出てから起業されるOB、OGがたくさんいるんです。

(村上)
森本さんが印象に残っている生徒さんを一人挙げるとすると?

(森本)
たくさんいるので、一人を挙げるのは難しいのですが、第1回大会で「エコなアワビの養殖プラン」を発表しグランプリを受賞した生徒さんのことが忘れられないです。この生徒さんは受賞スピーチで、その場にいる高校生の皆さんに向かって、このようなお話をされたんです。要約しますが、「今日は、皆さんの熱い思いが、プレゼンテーションから伝わってきました。みなさんが考えたことは、本当に日本を良くすることにつながっていくと思います。だからこそ、いつの日か、地域を背負って、また日本を背負って、共に別の場所で会いましょう。その日を僕は楽しみにしています。」と。思わず泣いてしまいました。開催して本当によかったと思いました。

(村上)
私、今の言葉を聞いて鳥肌が立ちました!!

(杉浦)
高校生、すごいですね!しっかりしてるわ~。創業マインドを奮い立たせるようなスピーチでしたね。

(村上)
「高校生ビジネスプラン・グランプリ」は今年ももちろん開催されるんですよね?応募資格やスケジュールなどはどのようになっていますか?

(森本)
応募資格は全国の高等学校および高等専門学校の、1年生から3年生の生徒からなるグループ、または個人であれば、どなたでも応募できます。応募の登録、ビジネスプランシートの提出締切りは9月25日までです。グランプリを決めるファイナリスト10組による最終審査会・表彰式は来年1月12日に東京大学で行われます。

(村上)
今から9月まで、まだ十分に時間があるから、これからゆっくりとアイデアを練ることができますね。

(森本)
若者ならではの創造性あふれるビジネスプランを募集しています。是非、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」に挑戦して、未来の可能性を広げてください。日本公庫は、起業を増やし、活力あふれる日本を創っていくために、これからも次世代を担う若者の創業マインド向上に取り組んでいきます。

(村上)
私が今日の話を聞いて特に注目したことは、タイトルにもありました「高校生ビジネスプラン・グランプリ」です。まず、こういう大会があることを私は知らなかったので、もっともっと広まって、日本を活性化していってほしいなと思いました。

(杉浦)
僕が今日の話を聞いて特に注目したのは、「アントレプレナーシップ」です。自ら学んで考えて行動する力。これは大事だね。広めていきたいですね。


「 関連リンク 」
日本政策金融公庫「高校生ビジネスプラン・グランプリ」
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