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ベビーカーからのお願い。お互いに思いやりの気持ちを。

ベビーカーからのお願い。お互いに思いやりの気持ちを。

誰もが気持ちよく利用するために、ベビーカーを利用するかた、そして周りのかたに協力いただきたいことがあります。
今回は、「ベビーカーからのお願い。お互いに思いやりの気持ちを。」というテーマで学びました。
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(杉浦)
佳菜子ちゃん、ピクトグラムって知ってますか?日本語で「案内用図記号」と言われているんだけど。

(村上)
分かります!非常口の出口に向かっているマークとか、おトイレにあるマークとか。

(杉浦)
そうだね。言語が違ってもピクトグラムを見るだけで、場所や施設などの案内を可能にするもので、起源は諸説あるんだけど、今のように世界的に利用されるようになったのは、1964年の東京オリンピックがきっかけだったと言われているんです。では、そうしたピクトグラムの中に、「ベビーカーマーク」があるのは知っていますか?

(村上)
見たことありますよ!大人がベビーカーにこどもを乗せているシンプルなマークですよね。エレベーターなどでよく見かけます。

(杉浦)
そうそう。公共施設や公共交通機関、病院や商業施設などでよく見ると思いますけど、このベビーカーマークは、ベビーカーを使用している人に、「ここはベビーカーを安心して使用できる場所と設備ですよ。」とお知らせするマークです。そして、それと同時に、ベビーカーを使用していない一般の人に対しても、「配慮をお願いします。」「ご協力をお願いします。」と呼びかける、そんな意味もこもっているんです。ただ、実はまだ、このベビーカーマークの意味を知らないかたや、そもそも、ベビーカーマークを見たことがないというかたの割合が50パーセント以上もあるんです。ベビーカーを使用している人の中にも、使用していない人の中にも、なんとなくモヤモヤすることを抱えている人がいるようなんです。

(村上)
気になる、そのモヤモヤ!

(杉浦)
例えば、「ベビーカーを折り畳むか、折り畳まないか問題」とかね。2014年、今から10年前に「国土交通省」や「交通事業者団体」、「子育てなどに関連する団体」などで構成する協議会で、「電車やバスなどの車内や、エレベーターでは、原則としてベビーカーを折り畳まずに使用できる」ことを公表しました。でも、昨年、国土交通省が行ったアンケート調査によると、大きく分けて、賛成派がおよそ9割、反対派がおよそ1割いる状況です。

(村上)
反対しているかたは、どういった理由で反対なんでしょうね?

(杉浦)
そこ、気になるよね。ここからは講師のかたに伺っていきましょう。国土交通省バリアフリー政策課長の田中 賢二さんです。

(村上)
田中さん、ベビーカーを折り畳まずに乗車することに反対する理由には、どんなものがあるんでしょうか?

(田中)
はい。最も多く寄せられているのは、「車内が大変混雑している時の利用には反対」という声です。また、「こどもが乗っていないのにベビーカーを広げたままにしていること」や「出入口付近にいること」などの理由も目立っています。

(村上)
そういうことなんですね。確かにベビーカーは、折り畳まないとスペースが大きく必要ですから、混雑している時には折り畳んでもらいたいのかもしれないですね。ただ、こどもと一緒の時は基本的に荷物が多いイメージがあるので、その荷物を持って、こどもも抱っこして、さらに折り畳んだベビーカーを持つのはかなり大変ですよね。

(杉浦)
僕は経験者ですけれども、ベビーカーでこどもが寝ていたら、寝かしつけるまでも大変なんで、起こしたくない、車内が狭くなってしまうけれども、そのまま寝かせておいてあげたいとか。こどもを抱っこしたとしても、ベビーカーにはマザーズバッグや買ったものとかがあるので、ママやパパは大変なのよ。それは経験しないと分からないかもしれないけれども、少しでも思いやりの気持ちを持って、配慮していただきたいなと思うんですよね。

(田中)
確かに、ベビーカーを使用されるかたの様々な状況はあると思います。一方で、反対しているかたの中には、「乗り降りの際に隙間に車輪が挟まって危険ではないか。」や「急ブレーキがかかった時や混雑時には、抱っこしている方が安全ではないか。」など、こどもの安全を心配する気持ちから反対しているかたもいらっしゃいます。

(村上)
そうなんだ。これは、けっこう難しい問題ですよね。どちらにも、それぞれの「状況」や「考え方」、「思い」があるってことですもんね。

(田中)
はい。ですから、お互いに「思いやりの気持ち」を持って、誰もが快適に電車やバスをご利用頂けるように、お互いに譲り合って、子育てにやさしい移動環境を目指していきたいと思っています。

(杉浦)
ここからは、ベビーカーを使用されるかた、そして、周りのかた、どちらにもご協力をお願いしたいことを、ひもといていきます。

(村上)
太陽さんは、ベビーカーを使用される時、どんなことに気を配っていましたか?

(杉浦)
やっぱり、「命を乗せているんだ。」という意識、責任かな。シートベルトをしないといけないし、自分が押しているベビーカーに我が子がいるんだと思うと、ベビーカーを邪険に扱えないし。ベビーカーを使っているからこそ、「すみません、荷物が幅をとっちゃって!」と周りに気も遣います。ただ、エスカレーターや階段を利用する時も、こどもをベビーカーから降ろして抱っこして、さらにベビーカーを持つとなると重たいし、大変なところもあるので、周りにもくみ取ってほしいという気持ちもちょっとあったりするかな。これが双子だったら大変さは倍だし、うちもこどもが4人いるから経験があるんだけど、兄弟がいたら抱っこ紐をしながらベビーカーを押したりとか、いろんなケースがあるんだよね。

(村上)
なるほど!今のお話で、太陽さんがベビーカーを押している姿が想像できました。

(杉浦)
ベビーカー歴16年だからね!いろんな経験をしましたよ。田中さん、このほかに電車を利用する時にも気を付けたいことはありますか。

(田中)
はい。ホームから電車に乗せる時は、段差や隙間に注意してベビーカーを操作いただきたいと思います。また、ホームの上では、線路に落ちないように、ベビーカーを線路と平行の向きに止めてストッパーをかけ、車内では、走行中の揺れなどでベビーカーが動いて周りの人とぶつからないようにベビーカーの向きに注意して、ストッパーをかけてしっかりと止めるようにしていただきたいと思います。そして、しっかり手も添えていただけたらと思います。

(村上)
なるほど。私は見たことはないんですけど、聞いた話で、ベビーカーで駆け込み乗車をするかたがいるというのは、本当ですか?

(田中)
はい。中にはそういうかたもいらっしゃるかもしれないんですが、そもそも、駆け込み乗車はどんなかたでもしないでいただきたいと思います。ドアに挟まれたり、転んだりすることがあるので危険ですし、ましてや、ベビーカーの場合は大切なお子さんの命を乗せているわけですから、絶対にやめていただきたいと思います。

(村上)
皆さん、駆け込み乗車はダメです。絶対にやめましょう!続いてはバスの場合ですが、バスに乗る時に気を配ることはありますか?

(田中)
バスには、ベビーカーを固定するためのベルトが付いている椅子がありますので、固定ベルトを正しく使用してベビーカーを止めていただけたらと思います。また、バスの進行方向に対して後ろ向きに固定するようにすると走行中の揺れなどで、こどもがベビーカーから飛び出してしまうリスクを下げることができます。

(村上)
バスは電車以上に揺れがある場合がありますから、固定ベルトを使用すれば、こどもの安全だけでなく、周りの人とぶつかるリスクも下げることができますね。

(田中)
はい。基本的にベビーカーは折り畳まずに乗車することができますが、バスの場合は、走行の状況によっては折り畳み、着席でのご乗車をお願いする場合がありますので、その際には、ご協力いただけたらと思います。

(村上)
ちなみに、ベビーカーは基本的にベビーカーマークがあるところに止めたほうがいいんですか?

(田中)
どこでも構わないのですが、電車やバスではベビーカーや車椅子用のスペースがありますので、そのスペースに止めていただくと安全です。

(村上)
では今度は、周りの人に協力をお願いしたいことについて知りたいんですけど、太陽さんは、ベビーカーを利用している時、「周りの人に協力してもらいたい。」と思ったことはありましたか?

(杉浦)
ベビーカーを押していると、小さな段差に引っかかったりして、さらに荷物があると、前に進まない時があるんだよね。一人だとどうにもならない時が結構あって、「ちょっと荷物持ちましょうか?」といった声がけや、前の車輪を上げてくれたりといったサポートがあると、すごくありがたいんだよね。5センチメートルの段差でも大きいから。「思いやりの気持ち」があるとお互い笑顔になれるかなと。

(田中)
そうですよね。また、エスカレーターや階段では危ないので、ベビーカーからお子さんを降ろしてご利用いただくことになっています。荷物が多いなど手助けが必要な時は、遠慮なく駅やバスの係員、また、周りのかたに協力をお願いしていただけたらと思います。

(村上)
私もそうなんですが、「何かお手伝いをしたい。」「協力したい。」と思っても、何をどうサポートしたらいいのか分からないというかたも多いんじゃないかなと思います。

(杉浦)
それってその人によっても状況が違うから、聞いてもらえるだけでも心強いですよね。さて、国土交通省では「電車やバスなどにベビーカーを折り畳まずに乗車した際、周囲の人に何か手助けをしてもらいたいことはありますか?」というアンケート調査も行っているんです。これによりますと、「ベビーカーのために場所を空けてもらいたい。」、「乗り降りを手伝ってもらいたい。」、「乗り降りする順番を譲ってもらいたい。」こうした声が挙がっているそうです。

(村上)
なるほど。周りの人は、ベビーカーを使用しているかたがいたら、温かい目で見守って、必要に応じてお手伝いをするのがよさそうですね。

(杉浦)
ベビーカーを使用している人も、周りの人も、お互いに気軽に声を掛けられる雰囲気があるといいですね。

(村上)
大事!気軽に声を掛けられる雰囲気というのはポイントだと思います!「声を掛けるのは恥ずかしい。」とか「悪いな。」とか思わずに、誰もがちょっとした気配りで快適な空間を共有できたらいいですね。

(田中)
そうですね。5月の1か月間、「ベビーカー利用に関するキャンペーン」を実施しています。こどもの安全を守るために、ベビーカーを使用しているかたは、安全な使用を心掛けていただき、周りのかたにも気を配って使用するようにしていただきたいと思います。また、周りのかたも、思いやりの気持ちをもって譲り合っていただき、お互いに電車やバスなどを快適にご利用できるように、ご協力いただけたらと思います。

(村上)
私が今日、特に注目したことは、「思いやりでお互い笑顔」です。

(杉浦)
僕は、「ベビーカーへの配慮をお願いします!」です。この気持ちがあるだけで変わってくるから。お互い笑顔でいましょう!


「 関連リンク 」
国土交通省「ベビーカーマークについてのお知らせ」
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