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2024.04.14
進化が止まらない!国立国会図書館
障害があるかたも、そうでないかたにも、多くのかたが文字や活字文化の恩恵を受けることができるよう、読書環境の整備が進められ、さらに、国立国会図書館では新たなサービスが始まっています。
今回は、「進化が止まらない!国立国会図書館」というテーマで深掘りしました。
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今回は、「進化が止まらない!国立国会図書館」というテーマで深掘りしました。
(杉浦)
佳菜子ちゃんは国立国会図書館に行ったことはありますか?東京本館は永田町、関西館は京都府の精華町、こどもの本を集めた「国際子ども図書館」というのもあって、こちらは東京の上野にあるんです。
(村上)
そうなんですね!いろんな所にあるんですね。でも、その国立国会図書館って、普通の図書館と何が違うんですか?
(杉浦)
国立国会図書館は、日本でただ一つの「国立」の図書館としての役割と、国会議員の活動を支える「国会」の図書館としての役割があって、その役割を果たすために日本で発行された本や新聞、雑誌などをできるだけ広く集めて、大切に保存している図書館なんです。そこで、佳菜子ちゃんに問題です!ジャン!国立国会図書館に保存されている資料の中で、最も古いものはいつ頃のものでしょうか?
(村上)
100年とか?150年とか?
(杉浦)
答えは、西暦740年、奈良時代に書かれたお経です。国立国会図書館は戦後にできたんですが、今から1200年以上も前のものでも保存されている場合があるんです。他にも「竹取物語」を豪華な絵巻にした江戸時代前期の絵巻や、あの坂本龍馬が記した直筆の文書もあるんです。
(村上)
すごいですね!
(杉浦)
歴史が長いですね。1200年以上前のものもあるんですよ!
続いて、第2問!ジャン!国立国会図書館の三つの施設、「東京本館」「関西館」「国際子ども図書館」にある本棚を1段ずつつなぎ合わせると、東京からどの辺りまで本棚が続くでしょうか。
3択にしました。1番、東京から佳菜子ちゃんの出身地、愛知県名古屋市辺りまで。2番、東京から私の出身地、大阪府寝屋川市辺りまで。3番、東京から山口県岩国市辺りまで。
(村上)
えー!?分からないですが、東京から名古屋まで264キロメートルくらいなんです。なので、1番の名古屋市辺りまでじゃないですか?
(杉浦)
答えは3番、「東京から山口県岩国市まで」です。本棚を1段ずつつなぎ合わせるとおよそ700キロメートルになり、直線距離で東京から岩国市まで続くそうですよ。
(村上)
すごいですね!!一生かけても読みきれるかな?と思っちゃいますね。でも、なんで国立国会図書館は、本をいっぱい集められるんですか?
(杉浦)
そこ「もっと知りたい!」ですよね。ここからは、今日の講師に質問していきましょう!京都からお越しいただきました。国立国会図書館関西館図書館協力課長の渡邉 斉志さんです。
(村上)
渡邉さん、国立国会図書館では、どうやって本を集めているんですか?
(渡邉)
はい。実は、国立国会図書館法という法律があって、国内で図書や雑誌などの出版物を発行した団体や個人には、その出版物を国立国会図書館に納入することが義務付けられています。国内の出版物といえば、例えば、本、雑誌、新聞、地図などです。さらに、紙のものだけでなく、電子書籍、電子雑誌、マイクロフィルム、CD、DVDなども、広く集めることができるんです。年間の受入れ点数はおよそ87万点です。
(村上)
年間で87万点!そうした資料を私たちも見ることができるんですか?
(渡邉)
もちろんです。直接ご来館いただくこともできますし、著作権法上問題のない資料には、インターネットを通じてどなたでも見たり、聴いたりできるものもあります。
(杉浦)
僕もネットで、先ほどご紹介した江戸時代前期に作製されたという「竹取物語」の絵巻を見ましたよ。これは国立国会図書館でデジタル化したものなんですよね。挿絵も色鮮やかで驚きました。
(村上)
へ~、パソコンやスマホの画面越しに、そうした貴重な資料が見られるなんて、すごいサービスですね~。
(杉浦)
佳菜子ちゃん、今日のテーマは「進化が止まらない!国立国会図書館」ですよ。すごいサービスはこれだけじゃないんです!佳菜子ちゃんは「読書バリアフリー」って言葉、聞いたことありますか?
(村上)
読書と、バリアフリーは聞いたことがありますが、「読書バリアフリー」は聞いたことがないです。
(杉浦)
これは昨年8月、小説「ハンチバック」で、芥川賞を受賞された作家の市川沙央さんが、その贈呈式の挨拶で「読書バリアフリーの環境整備を進めてほしい」と訴え、より多くのかたに知られるようになったんですけど、国立国会図書館では、その「読書バリアフリー」の実現に向けた取組も行っていて、素晴らしいサービスも提供しています。ここからは、「読書バリアフリー」と、その取組について、詳しく伺っていきましょう!
(村上)
渡邉さん、まずは「読書バリアフリー」ってどういうことなのか、基本的なところから教えていただけますか。
(渡邉)
はい。「読書」と聞いて多くのかたが想像するのは、活字の本を読むイメージだと思います。
(杉浦)
確かにそうですね。佳菜子ちゃんがアイススケートショーで本を読む人を表現したら、どんな振付けになりそう?
(村上)
やっぱり、「紙の本を開く動作」「指でページをペラペラとめくったり」「目線を上下に動かしながら、目で文字を追って読む」、あとは私は表現者ですので、物語が体からあふれ出ちゃう、そんな振付けになるんじゃないかな。
(杉浦)
読みながらストーリー性も出していくんだ。でも、やっぱり「読む」という動作は入れますよね。渡邉さん、今は違うんですか?
(渡邉)
読書は活字の本を読むだけではありません。音で聴いたり、手で触れて読むという読書の形もあります。
(杉浦)
オーディオブックや点字の本など、「本」と言ってもいろいろなものがありますよね。
(渡邉)
まだ、そうした様々な読書の形に対応しているコンテンツや、それらを手軽に利用できる環境は多くありません。そのため2019年に「読書バリアフリー法」という法律が成立しました。これは、障害の有無にかかわらず、全ての国民が等しく、読書を通じて、文字や活字文化の恩恵を受けることができる社会の実現を目指すものです。
(村上)
「読書バリアフリー法」っていう、法律があるんですね。知らなかったです。
(渡邉)
これにより「視覚に障害があるかた」「文字の読み書きに障害があるかた」「腕や手などに障害がありページをめくることができないかた」など、活字の本による読書が困難なかたに向けた読書環境の整備を、国立国会図書館をはじめ、多くの図書館や学校などが行っているんです。
(杉浦)
読書が困難なのは障害のあるかただけじゃないですよね。僕たちも高齢になれば、体が衰え、文字が読みにくくなるなど、様々な不具合に直面しますから、読書バリアフリーは全ての人に関わる課題ですよね。
(村上)
そうですね。国立国会図書館では「読書バリアフリー」に向けて、どんなことを行っているんですか?
(渡邉)
活字の本を読むことが難しいかたに特化した「データ送信サービス」を行っています。このサービスに登録できるのは、視覚障害やそのほかの理由で、通常の活字の印刷物の利用が困難なかたです。登録申請をして許可を得られれば、活字の本をもとに作成された音声データや点字データをダウンロードして、自分のパソコンやスマートフォンで読んだり聴いたりすることができます。ダウンロードする際のデータ通信に係る費用は負担いただきますが、「データ送信サービス」の利用自体に料金はかかりません。
(杉浦)
データは「地域の公立図書館」や「大学などの図書館」「ボランティア団体」などが製作したものを国立国会図書館が集めたもので、国立国会図書館が製作したデータも加えると、その数は250万点に上るそうです。
(渡邉)
昨年の3月からは、国立国会図書館が古いものから順にデジタル化してきた本の画像データから、文字をコンピュータに読み取らせて作成した全文テキストデータを提供しています。本の画像データの形だと、視覚障害のかたなどは利用することができませんが、テキストデータの形にすれば音声読み上げソフトなどを使って資料の中身を確認したり、資料の本文に含まれる情報を検索したりすることが可能になります。テキスト化は今後も順次進めていきますので、提供可能なテキストデータの数は増えていく予定です。
(村上)
ちなみに、新しい本のデータもダウンロードできるんですか?例えば、先ほど話題にあがった市川沙央さんの本とか?
(渡邉)
はい。「ハンチバック」の場合、このサービスでは音声データをダウンロードできます。そのほかに、点字データやテキストデータを製作して所有している図書館もあるようです。文字を読むのが困難なかたは、皆さん日頃から読んだり書いたりすることを補助する機器をお持ちですから、ご自身に合ったデータを見つけてご利用いただければと思います。
(村上)
とっても便利ですね!でも、250万点の中から、自分の読書の形に合った、自分が読みたい本って、どうやって見つければいいんですか?
(杉浦)
確かに、250万点もあるからね。そういう疑問を持たれるかたも多いと思いますが、国立国会図書館は進化が止まりません!今年の1月5日から新しい検索サービスを公開しているんですよね、渡邉さん。
(渡邉)
はい。正式名は「国立国会図書館障害者用資料検索」ですが、愛称は「みなサーチ」です。ひらがなで「みな」、カタカナで「サーチ」と書いて「みなサーチ」。この愛称には、全てのかたにとって使いやすく検索しやすいシステムでありたい、という願いが込められています。
(杉浦)
検索サイトで「みなサーチ」と検索するとすぐに見つかりますよ。
(村上)
私もさっき、やってみたんです!すごく分かりやすいページでした。とっても便利でした。
(渡邉)
みなサーチの開発にあたっては、障害の当事者のかたや、障害者団体のかたからご意見を伺い、システムに反映しました。「音声の読み上げ」「画面拡大」「点字表示」「視線入力」など、様々な支援機器を用いても、使いやすいページを目指して開発しました。
(村上)
今年の1月5日からの新しいサービスですから、知らないかたも多いんじゃないですか?
(渡邉)
そうですね。そもそも文字を読むのが困難なかたは、情報を得る機会も限られている場合があります。ですから、リスナーのみなさんには、「視覚に障害があるかたなどに向けたデータ送信サービス」や「みなサーチ」を、日頃から話題にして情報を広めていただければと思います。「読書バリアフリー」の実現に向けて、ご協力をよろしくお願いいたします。
(村上)
私が特に注目したのは「みなサーチ」です。必要とされているかたに教えてあげたいなと思いました。
(杉浦)
「みなサーチ」ですね。是非、検索してみてください。僕が今日、特に注目したのは「読書バリアフリー」です。全ての人に関わる課題ですよね。僕ら自身も老眼や高齢になり体が衰え、文字が読みにくくなったりしますから。「読書バリアフリー」という言葉も、あまり浸透していないと思うので多くのかたに知ってほしいと思いました。今日も学びました。
「 関連リンク 」
・国立国会図書館「視覚障害者等用データ送信サービス(視覚障害者等個人の方向けのご案内)」
・国立国会図書館「視覚障害者等用データ送信サービスの利用者登録について(初めて登録する)」
・国立国会図書館「国立国会図書館障害者用資料検索「みなサーチ」」
佳菜子ちゃんは国立国会図書館に行ったことはありますか?東京本館は永田町、関西館は京都府の精華町、こどもの本を集めた「国際子ども図書館」というのもあって、こちらは東京の上野にあるんです。
(村上)
そうなんですね!いろんな所にあるんですね。でも、その国立国会図書館って、普通の図書館と何が違うんですか?
(杉浦)
国立国会図書館は、日本でただ一つの「国立」の図書館としての役割と、国会議員の活動を支える「国会」の図書館としての役割があって、その役割を果たすために日本で発行された本や新聞、雑誌などをできるだけ広く集めて、大切に保存している図書館なんです。そこで、佳菜子ちゃんに問題です!ジャン!国立国会図書館に保存されている資料の中で、最も古いものはいつ頃のものでしょうか?
(村上)
100年とか?150年とか?
(杉浦)
答えは、西暦740年、奈良時代に書かれたお経です。国立国会図書館は戦後にできたんですが、今から1200年以上も前のものでも保存されている場合があるんです。他にも「竹取物語」を豪華な絵巻にした江戸時代前期の絵巻や、あの坂本龍馬が記した直筆の文書もあるんです。
(村上)
すごいですね!
(杉浦)
歴史が長いですね。1200年以上前のものもあるんですよ!
続いて、第2問!ジャン!国立国会図書館の三つの施設、「東京本館」「関西館」「国際子ども図書館」にある本棚を1段ずつつなぎ合わせると、東京からどの辺りまで本棚が続くでしょうか。
3択にしました。1番、東京から佳菜子ちゃんの出身地、愛知県名古屋市辺りまで。2番、東京から私の出身地、大阪府寝屋川市辺りまで。3番、東京から山口県岩国市辺りまで。
(村上)
えー!?分からないですが、東京から名古屋まで264キロメートルくらいなんです。なので、1番の名古屋市辺りまでじゃないですか?
(杉浦)
答えは3番、「東京から山口県岩国市まで」です。本棚を1段ずつつなぎ合わせるとおよそ700キロメートルになり、直線距離で東京から岩国市まで続くそうですよ。
(村上)
すごいですね!!一生かけても読みきれるかな?と思っちゃいますね。でも、なんで国立国会図書館は、本をいっぱい集められるんですか?
(杉浦)
そこ「もっと知りたい!」ですよね。ここからは、今日の講師に質問していきましょう!京都からお越しいただきました。国立国会図書館関西館図書館協力課長の渡邉 斉志さんです。
(村上)
渡邉さん、国立国会図書館では、どうやって本を集めているんですか?
(渡邉)
はい。実は、国立国会図書館法という法律があって、国内で図書や雑誌などの出版物を発行した団体や個人には、その出版物を国立国会図書館に納入することが義務付けられています。国内の出版物といえば、例えば、本、雑誌、新聞、地図などです。さらに、紙のものだけでなく、電子書籍、電子雑誌、マイクロフィルム、CD、DVDなども、広く集めることができるんです。年間の受入れ点数はおよそ87万点です。
(村上)
年間で87万点!そうした資料を私たちも見ることができるんですか?
(渡邉)
もちろんです。直接ご来館いただくこともできますし、著作権法上問題のない資料には、インターネットを通じてどなたでも見たり、聴いたりできるものもあります。
(杉浦)
僕もネットで、先ほどご紹介した江戸時代前期に作製されたという「竹取物語」の絵巻を見ましたよ。これは国立国会図書館でデジタル化したものなんですよね。挿絵も色鮮やかで驚きました。
(村上)
へ~、パソコンやスマホの画面越しに、そうした貴重な資料が見られるなんて、すごいサービスですね~。
(杉浦)
佳菜子ちゃん、今日のテーマは「進化が止まらない!国立国会図書館」ですよ。すごいサービスはこれだけじゃないんです!佳菜子ちゃんは「読書バリアフリー」って言葉、聞いたことありますか?
(村上)
読書と、バリアフリーは聞いたことがありますが、「読書バリアフリー」は聞いたことがないです。
(杉浦)
これは昨年8月、小説「ハンチバック」で、芥川賞を受賞された作家の市川沙央さんが、その贈呈式の挨拶で「読書バリアフリーの環境整備を進めてほしい」と訴え、より多くのかたに知られるようになったんですけど、国立国会図書館では、その「読書バリアフリー」の実現に向けた取組も行っていて、素晴らしいサービスも提供しています。ここからは、「読書バリアフリー」と、その取組について、詳しく伺っていきましょう!
(村上)
渡邉さん、まずは「読書バリアフリー」ってどういうことなのか、基本的なところから教えていただけますか。
(渡邉)
はい。「読書」と聞いて多くのかたが想像するのは、活字の本を読むイメージだと思います。
(杉浦)
確かにそうですね。佳菜子ちゃんがアイススケートショーで本を読む人を表現したら、どんな振付けになりそう?
(村上)
やっぱり、「紙の本を開く動作」「指でページをペラペラとめくったり」「目線を上下に動かしながら、目で文字を追って読む」、あとは私は表現者ですので、物語が体からあふれ出ちゃう、そんな振付けになるんじゃないかな。
(杉浦)
読みながらストーリー性も出していくんだ。でも、やっぱり「読む」という動作は入れますよね。渡邉さん、今は違うんですか?
(渡邉)
読書は活字の本を読むだけではありません。音で聴いたり、手で触れて読むという読書の形もあります。
(杉浦)
オーディオブックや点字の本など、「本」と言ってもいろいろなものがありますよね。
(渡邉)
まだ、そうした様々な読書の形に対応しているコンテンツや、それらを手軽に利用できる環境は多くありません。そのため2019年に「読書バリアフリー法」という法律が成立しました。これは、障害の有無にかかわらず、全ての国民が等しく、読書を通じて、文字や活字文化の恩恵を受けることができる社会の実現を目指すものです。
(村上)
「読書バリアフリー法」っていう、法律があるんですね。知らなかったです。
(渡邉)
これにより「視覚に障害があるかた」「文字の読み書きに障害があるかた」「腕や手などに障害がありページをめくることができないかた」など、活字の本による読書が困難なかたに向けた読書環境の整備を、国立国会図書館をはじめ、多くの図書館や学校などが行っているんです。
(杉浦)
読書が困難なのは障害のあるかただけじゃないですよね。僕たちも高齢になれば、体が衰え、文字が読みにくくなるなど、様々な不具合に直面しますから、読書バリアフリーは全ての人に関わる課題ですよね。
(村上)
そうですね。国立国会図書館では「読書バリアフリー」に向けて、どんなことを行っているんですか?
(渡邉)
活字の本を読むことが難しいかたに特化した「データ送信サービス」を行っています。このサービスに登録できるのは、視覚障害やそのほかの理由で、通常の活字の印刷物の利用が困難なかたです。登録申請をして許可を得られれば、活字の本をもとに作成された音声データや点字データをダウンロードして、自分のパソコンやスマートフォンで読んだり聴いたりすることができます。ダウンロードする際のデータ通信に係る費用は負担いただきますが、「データ送信サービス」の利用自体に料金はかかりません。
(杉浦)
データは「地域の公立図書館」や「大学などの図書館」「ボランティア団体」などが製作したものを国立国会図書館が集めたもので、国立国会図書館が製作したデータも加えると、その数は250万点に上るそうです。
(渡邉)
昨年の3月からは、国立国会図書館が古いものから順にデジタル化してきた本の画像データから、文字をコンピュータに読み取らせて作成した全文テキストデータを提供しています。本の画像データの形だと、視覚障害のかたなどは利用することができませんが、テキストデータの形にすれば音声読み上げソフトなどを使って資料の中身を確認したり、資料の本文に含まれる情報を検索したりすることが可能になります。テキスト化は今後も順次進めていきますので、提供可能なテキストデータの数は増えていく予定です。
(村上)
ちなみに、新しい本のデータもダウンロードできるんですか?例えば、先ほど話題にあがった市川沙央さんの本とか?
(渡邉)
はい。「ハンチバック」の場合、このサービスでは音声データをダウンロードできます。そのほかに、点字データやテキストデータを製作して所有している図書館もあるようです。文字を読むのが困難なかたは、皆さん日頃から読んだり書いたりすることを補助する機器をお持ちですから、ご自身に合ったデータを見つけてご利用いただければと思います。
(村上)
とっても便利ですね!でも、250万点の中から、自分の読書の形に合った、自分が読みたい本って、どうやって見つければいいんですか?
(杉浦)
確かに、250万点もあるからね。そういう疑問を持たれるかたも多いと思いますが、国立国会図書館は進化が止まりません!今年の1月5日から新しい検索サービスを公開しているんですよね、渡邉さん。
(渡邉)
はい。正式名は「国立国会図書館障害者用資料検索」ですが、愛称は「みなサーチ」です。ひらがなで「みな」、カタカナで「サーチ」と書いて「みなサーチ」。この愛称には、全てのかたにとって使いやすく検索しやすいシステムでありたい、という願いが込められています。
(杉浦)
検索サイトで「みなサーチ」と検索するとすぐに見つかりますよ。
(村上)
私もさっき、やってみたんです!すごく分かりやすいページでした。とっても便利でした。
(渡邉)
みなサーチの開発にあたっては、障害の当事者のかたや、障害者団体のかたからご意見を伺い、システムに反映しました。「音声の読み上げ」「画面拡大」「点字表示」「視線入力」など、様々な支援機器を用いても、使いやすいページを目指して開発しました。
(村上)
今年の1月5日からの新しいサービスですから、知らないかたも多いんじゃないですか?
(渡邉)
そうですね。そもそも文字を読むのが困難なかたは、情報を得る機会も限られている場合があります。ですから、リスナーのみなさんには、「視覚に障害があるかたなどに向けたデータ送信サービス」や「みなサーチ」を、日頃から話題にして情報を広めていただければと思います。「読書バリアフリー」の実現に向けて、ご協力をよろしくお願いいたします。
(村上)
私が特に注目したのは「みなサーチ」です。必要とされているかたに教えてあげたいなと思いました。
(杉浦)
「みなサーチ」ですね。是非、検索してみてください。僕が今日、特に注目したのは「読書バリアフリー」です。全ての人に関わる課題ですよね。僕ら自身も老眼や高齢になり体が衰え、文字が読みにくくなったりしますから。「読書バリアフリー」という言葉も、あまり浸透していないと思うので多くのかたに知ってほしいと思いました。今日も学びました。
「 関連リンク 」
・国立国会図書館「視覚障害者等用データ送信サービス(視覚障害者等個人の方向けのご案内)」
・国立国会図書館「視覚障害者等用データ送信サービスの利用者登録について(初めて登録する)」
・国立国会図書館「国立国会図書館障害者用資料検索「みなサーチ」」