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必ず確認しよう!戸籍のフリガナ通知書

必ず確認しよう!戸籍のフリガナ通知書

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日本の戸籍制度が始まって以来、初めて戸籍の氏名にフリガナが記載されます。
これに伴い、私たち一人ひとりの協力が必要です。

今回は、「必ず確認しよう! 戸籍のフリガナ通知書」というテーマで学びました。
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(杉浦)
佳菜子ちゃんの「佳菜子」っていう名前は、誰が付けてくれたの?

(村上)
誰が付けたんでしょうね? なんか、お母さんもお父さんもそれぞれの想いがあって、全然違うんですよ。父の思いの方が、物語があるんですよ。それが結構好きで。

(杉浦)
両方の意味があるんだね。どんな物語?

(村上)
イッツロングストーリーですけどいいですか(笑)また今度話しましょう。太陽さんの名前も気になりますね。

(杉浦)
僕の名前は、芸名は太陽「タイヨウ」だけど、本名は太陽と書いて「タカヤス」って読むんだよ。タカヤス。

(村上)
「ヤス」って読むんですか?陽(ヨウ)を。

(杉浦)
(太は)「タカ」とも読まないし、ちょっとややこしいんだよ。漢字の氏名は読み方がいろいろあるから、難しいね。それでね、実は、今年の5月26日に改正戸籍法が施行されて、戸籍の氏名にフリガナが記載されるんだって。

(村上)
戸籍って、その人が日本人であることを公的に証明する唯一のものですよね? ものすごく大切なものだと思うんですけど、今までフリガナの記載、無かったんですね! 大事なものにはフリガナ絶対書くイメージがありました。

(杉浦)
あるよね! 今は、こどもが生まれた時、出生届に氏名とフリガナを書いて提出するんだけど、それが戸籍に反映されることはなくて、これまで氏名のフリガナは、法律上の根拠がないものだったんだって。

(村上)
へー。でも、これまで無かったのに、記載することになったんですね。

(杉浦)
これはやはり、社会のデジタル化が関係してるんだよね。最近は、行政機関をはじめ、銀行、カード会社、病院など、デジタル化が進んで、情報をどんどんデータベース化してるでしょ。だから、個人を検索する時は、フリガナ検索をする方が便利だし、漢字とフリガナの両方で確認できた方が、間違いを防ぎやすいんだよね。

(村上)
そっか…。時代のデジタル化に合わせて、っていうことなんですね。

(杉浦)
そう、時代が変化しております。ただね、佳菜子ちゃん、さっき話していたように、氏名の読み方って難しいじゃん。名字の場合、山崎(ヤマザキ)と書いて、「ヤマサキ」さんという場合もあるし。「濁るか濁らないか」問題ね。だから、戸籍にフリガナを記載するに当たって、国民の皆さん全員に協力をお願いしたいことがあるんだって。ここからは、法務省民事局の青山 琢麿さんに教えていただきましょう。

(村上)
青山さん、私たちが協力することって、具体的にはどんなことですか?

(青山)
はい。今年5月26日以降、日本国内に住む全ての日本人へ、本籍地の市区町村から戸籍に記載する予定のフリガナを通知します。通知は郵便で届きます。皆さんはまず、その通知書に書かれている氏名のフリガナに誤りが無いかどうか、ご確認をお願いします。

(村上)
まず、「通知書のフリガナを確認」ですね。それで間違っていたら?

(青山)
はい。誤りがあれば来年5月25日までに正しいフリガナを市区町村へ届け出てください。反対に、誤りが無ければ何もしなくても、来年の5月26日から順次、通知のとおり戸籍の氏名にフリガナが記載されますので、ご安心ください。

(村上)
誤りが無ければ何もしなくてよくて、誤りがある場合のみ、1年以内に届け出ればいいってことですね。具体的には、どのようにして届け出るんですか?

(青山)
マイナポータルからの届出が便利です。マイナポータルは、マイナンバーカードがあれば、様々な行政手続きをオンラインでできるウェブサイトです。こちらを利用すれば、どこに居ても、手続きを完了することができます。

(村上)
じゃあ、家に居ながら、手続きできちゃうんですね。

(青山)
もちろん郵送や、市区町村の窓口でも届出は可能です。市区町村の役所にある届書に必要事項を書いて提出するか、郵送の場合は、法務省のホームページから届書をプリントアウトして必要事項を記入して送ってください。

(村上)
届書以外に提出しなければならないものはないですか?

(青山)
基本的には必要事項を記入した届書があれば大丈夫です。しかし、氏名の読み方として一般に認められているものでない読み方を用いている場合は、読み方が記載されている、パスポートや金融機関の通帳の写しなどを併せて提出していただくことになります。

(村上)
届出は本人がしないとダメですか? こどもの場合、保護者がしても大丈夫ですか?

(杉浦)
そう、そのあたり、気になるよね。さあ、ここからは「これってどうなんだろう?素朴な疑問コーナー」!! 戸籍の氏名にフリガナが記載されるというのは、日本の戸籍制度が始まって以来、初めてのことです。1億2,000万人もの人が通知書を確認して誤りがあれば届け出るというのも、初めてのことなので、いろいろ疑問が出ると思うんだよね。そこでここからは、素朴な疑問、青山さんにお答えいただきましょう!では早速、「素朴な疑問 その1」、佳菜子ちゃん、何でしょうか?

(村上)
こどもの名前のフリガナに誤りがあった場合、誰が届け出るんでしょうか?

(青山)
実は、届出をすることができる人には、基本的なルールがあります。まず、氏名のうち、名前のフリガナは基本的に、ご本人に届け出ていただきます。しかし、未成年者の場合は、親権者が届出をすることになります。

(村上)
なるほど。18歳未満のお子さんは親権者、多くの場合、保護者、パパやママが届け出るってことですね。

(青山)
はい。ただし、15歳以上であれば、お子さん自身が届け出ることもできます。

(杉浦)
ここで、大切なポイントが一つ! 佳菜子ちゃん、今のルールは名前の届出の場合のみであって、氏名のうちの氏(ウジ)、名字(ミョウジ)の場合は別なんです。

(村上)
え、本人がするんじゃないんですか?

(青山)
名字のフリガナに誤りがある場合、原則として戸籍の筆頭者が届出をすることになります。筆頭者というのは、戸籍の最初に記載されている人です。そのため、届出をする場合は、戸籍に載っているご家族と一緒に、十分確認をしてください。

(杉浦)
では、続いて「素朴な疑問 その2」! 佳菜子ちゃん、どうぞ!

(村上)
後から間違いを訂正することはできますか? 例えば、通知されたフリガナが間違ってるのに、うっかり届出をするのを忘れてしまい、戸籍に誤ったフリガナがそのまま振られてしまったら、取り返しつかないんですかね?

(青山)
届出を忘れてしまって、誤ったフリガナが戸籍に記載された場合でも、一度に限り、市区町村への届出のみで訂正することができます。ただし、一度フリガナの届出をすると、その後の変更には、家庭裁判所の許可が必要です。

(村上)
一回だけなら簡単に変更できるんですね。

(杉浦)
一回だけならね。でも、そういうことがないように、通知が届いたらすぐに確認して、誤っていたら、忘れないうちに届出をしてもらいたい、ということですよね。

(青山)
そうですね。また、届出をする場合は、パスポートや年金など、他の行政手続などに使用している氏名のフリガナを確認してください。戸籍の氏名のフリガナと食い違うことがあると、他で使用しているフリガナの変更手続が必要になるなど、不都合が生じる可能性があります。

(杉浦)
では、「素朴な疑問 その3」!

(村上)
最近、漢字が、読むのが難しいお名前とかもあるじゃないですか。それって、大丈夫なのかな?っていう疑問があって。認められるかどうか。

(青山)
はい。すでに戸籍のあるかたは、今使用している読み方が戸籍のフリガナとして認められますので、ご安心ください。ただし、今年の5月26日以降に出生届を出す赤ちゃんのお名前には注意が必要です。今回の戸籍法の改正により、新たに「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められるものでなければならない」というルールが設けられます。

(村上)
それって、どういったものがダメなんでしょうか?

(青山)
例えば、漢字の持つ意味と反対の意味による読み方、高い低いの「高い」という漢字一文字で「ヒクシ」などは認められない場合があります。

(村上)
なるほど。紛らわしいですもんね。

(青山)
また、読み違い、書き違いかどうか判然としない読み方、例えば、「太郎」を「ジロウ」「サブロウ」などとするのは混乱を招くため、認められない可能性があります。また、漢字の意味や読み方との関連性をおよそ又は全く認めることができない読み方、例えば、「太郎」と書いて「ジョージ」や「マイケル」とするのも、認められない場合があります。

(村上)
でも、世の中には読むのが難しいお名前っていっぱいありますよね?

(青山)
そうですね。例えば「心(ココロ)」と愛情の「愛(アイ)」と書いて二文字で「ココア」という読み方は、音読み、または、訓読みの一部を当てたものなので認められる予定です。市区町村の窓口で判断に迷うような読み方は、漢字との関連性が分かるように説明を書いていただく場合があります。

(村上)
太陽さんのお子さんは、みんな名前、可愛いですよね。羨ましいんですよ。

(杉浦)
うちの場合、4人とも難しい読み方をするんだけど、どの子も音読みか訓読み、もしくは、関連性のある意味があるので、法律改正後、新しく生まれた子に付ける場合であっても、認められるんだって。良かったと思って。

(青山)
杉浦さんのお子様の場合、次男の「昊空(ソラ)」さんは、「ソラ」と読める漢字を二つ使って二文字で「ソラ」ですよね。

(杉浦)
そうですね。一文字目が、天気の「天(テン)」の上に日曜日の「日(ニチ)」と書いて、その字が「昊(ソラ)」って読めるのね。その後に、うちの子の名前ってみんな最後に「空」が付くから、(普通に読むと)「ソラソラ」になるんだけれども、まとめて「ソラ」にしてるんですけど、こういうケースも大丈夫ですよね。

(青山)
はい。昊空(ソラ)さんのケースはよくあるもので、例えば、「大空(オオゾラ)」と書いて「ソラ」と読む方もいらっしゃいます。このように直接読まない漢字の存在を「置き字」と言ったりしますが、こういったものは認められる予定です。

(杉浦)
名前って、アイデンティティに関わる、とても大切なものだから、親はいろいろな思いを込めて名付けるじゃない。だから、その名前が正しく使われるように、今回、通知が届いたら必ず確認して、「誤りがあれば来年5月25日までに」、必ず届出をしてもらいたいですね。

(青山)
はい。誤りが無ければ届け出る必要はありませんし、届出をしなくても罰則はありません。また、届出をする場合、手数料はかかりません。

(杉浦)
そう、「手数料はかかりません」。ここ重要なポイントですね!新しい制度が始まる時は、制度を悪用した詐欺の発生が心配されますからね。

(青山)
はい。フリガナの届出に当たって、法務省や法務局、市区町村が、金銭を支払うよう要求することは一切ありません。不審に思ったら必ずお住まいの市区町村の担当窓口や最寄りの警察署、または、警察相談専用電話「♯9110」番へご連絡をお願いします。

(村上)
私が今日の話の中で特に注目したのは、「フリガナの通知を必ず確認」です。

(杉浦)
僕は、「令和7年5月26日から戸籍にフリガナが記載されます!」。日付も大事だからね。


「 関連リンク 」
法務省「戸籍にフリガナが記載されます」
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