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食べて!泊まって!体験して!いま海業が熱い!

食べて!泊まって!体験して!いま海業が熱い!

あなたも一緒に、海業しませんか?
私たち消費者が海業への関心、理解を深めることで漁業、水産業、そして漁村の雇用など、海業がさらに盛り上がる!?
今回は、「食べて!泊まって!体験して!いま海業が熱い!」というテーマで学びました。
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(杉浦)
さぁ、今日、学んでいくのは、僕たちの食卓を豊かにしてくれる「魚」に関わることです!テーマは、「食べて!泊まって!体験して!いま海業が熱い!」

(村上)
「海業」って初めて聞いたんですけど、みんな知ってる言葉ですか?

(杉浦)
最近熱いんですよ、これが。「海」に事業の「業」と書いて、海業。海や漁村が持つ地域資源の価値や魅力を活用する全ての事業を総称して「海業」って言うんだって。漁業とか水産業だけじゃなくて、漁業体験とか、漁村に宿泊するとか、観光・レジャーとか、海に関する事業をいろいろまとめて「海業」。

(村上)
そうなんだ! ダイビングとかも、海業に入るのかな? 私、ダイビングするから。

(杉浦)
観光・レジャーに入るから、ダイビングも「海業」です!

(村上)
海の魅力と言えば、やっぱり太陽さんですね。

(杉浦)
まぁね。僕も、漁港に行ったりとか、漁師さんと連絡を取ったりとか、ダイビングもそうだけど、自分で船持ってるからさ。海の環境とか全部自分で感じて。僕たち家族は、海のことを「自然の先生」と呼んでるんだけど、海は楽しいだけじゃなくて気候の変化とか厳しさも教えてくれるから、学ぶことがたくさんあるんだよね。

(村上)
一番、酸いも甘いも教えてくれる場所でもありますよね。

(杉浦)
そう、「海、楽しいー!」っていう日もあれば、「うわ! 海、荒れてる、船酔いするー!」みたいな日もあるじゃん。潜ったら、こんな魚がいてとか。僕が海のことを語り出したら止まらないので(笑)、僕の話はこのへんにして、今日は、リスナーの皆さんにも、海を存分に楽しむことができる「海業」について水産庁漁港漁場整備部 計画・海業政策課長の中村 隆さんに伺っていきましょう!

(村上)
中村さん、「いま海業が熱い!」って、具体的にどういうことなんでしょうか?

(中村)
はい、海と聞いて、真っ先に思いつくのは四季折々の新鮮な水産物かもしれませんが、それだけではありません。地域色豊かな食文化や伝統行事、優れた景観など、人を惹きつける魅力がたくさんあります。近年は、これらを活用した海業が増加していることもあり、都市と漁村との交流人口は、年間でおよそ2千万人にも上っているんです。

(村上)
2千万人!? なんか、意外な部分もあるなと思うんですけど。日本は少子高齢社会である上に、若者は都市に出てしまいがちじゃないですか。だから漁師さんの数も減って、漁村は元気ないのかなって思っちゃってました。

(中村)
もちろん、そういった一面もあります。漁村は、人口の減少や高齢化の進行が際立っている上に、海の環境変化などで漁獲量も減ってるんです。

(杉浦)
そうなんだよね。佳菜子ちゃん、日本の漁獲量は1984年がピークだったんだけど、38年後の2022年には、ピーク時のなんと3分の1以下になりました。

(村上)
そんなに減っちゃったんですか!?

(杉浦)
そうなんだよね…。国民1人が1年間に食べる魚の消費量も減ってまして、2022年度はピーク時のおよそ半分。今はお肉の消費量のほうが多いんだって。

(村上)
そうなんだ。でも、日本は海に囲まれた国だから漁業は日本にとって重要な産業ですよね。この状況って、なんとかしないといけないんじゃないですか?

(中村)
そうなんです。ですので、水産資源の管理や海の環境を守るのに欠かせない、海の森と呼ばれる藻場を再生したり、養殖業の推進なども行っています。それに加えて、漁村の持つポテンシャルをいかして、水産物の消費を増やしたり、漁村との交流を促したりするなど、海業を積極的に推進することで、水産業が持続できるよう後押ししています。さらには、消費者と漁業関係者が一体となって海業を盛り上げていき、漁村地域の所得と雇用の機会を確保することも目指しているんです。

(村上)
なるほど。だから、「今、海業が熱い」んですね!

(杉浦)
ということで、ここからは、バラエティに富んだ海業を展開されている漁港を、時間が許す限りご紹介していきたいと思います。まずトップバッターは、こちら! 「外国人も大勢詰め掛ける! 北海道根室市・歯舞漁港。」 歯舞漁協では、2022年、歯舞漁港に地域住民や観光客が利用できる複合施設をおよそ80億円かけて作りまして、様々な海業を展開しております。

(村上)
すごいですね。80億円かけて! 中村さん、具体的にはどんな海業が行われているんですか?

(中村)
水揚げされたばかりの魚の競りの模様や、コンブの加工・保管状況が見学できたり、大学と連携してコンブ漁業の就労体験を実施するなど様々な海業を展開しています。中でも、日本人だけでなく、ヨーロッパをはじめとした、様々な国からの外国人観光客の方々に人気なのが漁協の船を活用した「本土最東端パノラマ・クルーズ」です。

(杉浦)
こちらはですね、歯舞漁港を出発して、日本の本土最東端の納沙布岬、そして、貝殻島灯台の間近まで巡る、およそ2時間のクルーズです。なんといっても、この海域で貴重な生き物に出会えるのがこのクルーズの魅力なんですよね。

(中村)
はい。自然相手ですから、あくまでも運が良ければですけども、鯨、シャチ、ラッコ、アザラシ、イルカのほか、世界的に珍しい渡り鳥を見ることができ、国内外のバードウォッチャーに人気なんです。このパノラマ・クルーズは11月から4月末まで運行しています。

(村上)
すごいですね! 野生の!? クジラも見られるんだ、ラッコも!?

(杉浦)
さぁ、続いてご紹介する漁港は「食育体験が充実! 福井県小浜市・内外海漁港」です。なんと「エビでタイを釣る」体験ができるそうです!

(中村)
こちらは2007年、小浜市阿納体験民宿組合が食育体験施設「ブルーパーク阿納」を開設し、小中学生の教育旅行を積極的に受け入れています。こちらでは、釣り体験や魚のさばき体験を通じて、食の大切さと感謝の気持ちを学べる食育体験ができると大変好評で、利用者数も年々増加しています。

(村上)
エビでタイを釣れるんですか? 大きい魚こそ、ルアーとか使いそうな気がするんですけど。

(中村)
はい。こちらの釣り堀は、漁港の水面を活用したもので、阿納の海で育った、おいしい鯛やいろいろな魚を釣ることができます。エサにエビを使うので、初心者にも挑戦しやすいのが特徴です。

(杉浦)
僕もね、ちょっと前に小浜に行ってきたんですけど、やっぱり、漁業に対する取組とか観光に結び付けてるのがすごい上手なんだよね。自分で釣った鯛をさばいて、半身ずつ、お刺身と塩焼きにして食べるって良くない!? これは、バーベキュースペースでできるそうです。

(村上)
絶対、楽しいじゃないですか!

(中村)
こどもたちにとって、いい経験となるだけではなく、インストラクターを務めるのは、地元の民宿の女将さんや漁師さんなので、実は、地域の雇用にも貢献しています。

(杉浦)
内外海漁港では、宿泊とかカヤックもできるんですよね?

(中村)
はい。内外海の漁村には、漁師さんやそのご家族が営む民宿がたくさんありまして、民宿のご家族や地域が一体となって、漁業体験や宿泊がパッケージになった、体験型ツアーを積極的に展開しています。

(杉浦)
最近では、漁村での滞在型旅行のことを「渚泊」って言うんだって。さぁ、せっかくなのでもう一つご紹介しましょう。最後はこちら! 「海の仕事を見学! 兵庫県姫路市・妻鹿漁港」。

(中村)
はい。こちらは、瀬戸内海に浮かぶ離島・坊勢島の漁協が2015年に本土側で「JFぼうぜ・姫路まえどれ市場」を整備しており、水揚げされたばかりの魚介類を生簀に移して、生きたまま販売したり、食堂での食事やバーベキューを楽しんでもらえます。

(杉浦)
僕もですね、この坊勢島、1週間ほど漁師さんのところに住み込みで行ったことがあって。もう、目に浮かびますね、地元の人の顔も浮かびます。

(村上)
太陽さん、もう全部行ってません?(笑)

(杉浦)
ここでは、漁業見学ができるんですよね!

(中村)
はい。坊勢は、小型の底曳網漁船の数が兵庫県で最も多く、多くの漁師さんが季節を問わず操業し、ひょうご推奨ブランドの白鷺鱧や、ぼうぜガニ、鯛、エビ、カレイ、いろんな魚介類をとっています。底引き網漁業だけでなく、定置網漁業、ぼうぜ鯖の養殖場など、様々な漁業を見学できます。もちろん、その場で水揚げされたばかりの魚介類を試食できますし、バーベキューエリアで、豪快に浜焼きすることもできます。

(杉浦)
いいよねー。こちらでは、漁業見学船、新しい船も造ったそうで、トイレやエアコンも完備されております! およそ2時間から3時間の見学中も安心して見学できますね。

(村上)
実際に海で漁を見学するとなると、中には酔ってしまうかたもいらっしゃると思うので、そうした設備があるのは安心ですよね。

(杉浦)
ほんとに、トイレ、エアコン、マジで大事だから。

(村上)
やっぱり、こどもたちに体験させたいけど、お母さん酔いやすいとかっていう場合もありますしね。

(中村)
今日、ご紹介したのは、海業のほんの一例です。他にも、地元漁協と民間の企業とがタッグを組んで、バーベキュー施設を提供している漁港もあり、ビジネスの面から見ても、海業は魅力的なんです。

(杉浦)
佳菜子ちゃん、大好きな宮古島で海業、やれば? 「ダイビング」プラス「バーベキュー」みたいな。

(村上)
最高! でも、もうやってそうですけどね。

(杉浦)
やってるな(笑)

(中村)
海や漁村には魅力的な地域資源がたくさんあります。鮮度のいい水産物、漁業体験、独自の風景や歴史など、是非、海や漁村に行って、食べて、買って、泊まって、体験して、海の恵みを堪能してください。そして、海、漁村、水産業への理解を深めていただければと思います。

(村上)
今日の話の中で特に注目したのは「海を楽しく! 海業」です。

(杉浦)
最高です! 僕は、「海業で日本を元気に! 渚泊、ぜひ泊まってみてね。」です。楽しさを知ってるからね。是非、皆さんに経験してほしいなと思っております。


「 関連リンク 」
水産庁「海業の推進」
官民連携海業振興ポータルサイト
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