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ON AIR BLOG / 2020.07.08 update
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今日は「コロナの東京の状況について」このコーナーのサイエンスニュース担当、毎日新聞専門編集委員、青野由利さんにリモートで解説していただきました。

Q:東京の感染者数が、このところ連日、100人を超えていて、少し心配ですね。
A:そうですね。
振り返ってみると、新たな感染者数が100人に達したのは4月の上旬。それが4月半ばには200人を超えました。その後、緊急事態宣言の効果もあって、5月上旬には100人を切り、5月下旬には一桁まで減りました。それが再びじわじわ増加して、4月上旬に匹敵する数字になっているわけです。社会経済活動を再開し、人の移動を認めたわけですから、感染者が増えるのは、当然といえば当然なんですが、確かにこの数は心配です。

Q:でも、東京都や政府は、緊急事態宣言を出したころとは状況が違うといっています。
A:はい。
確かに、以前に比べると、若い世代の感染者が多い、という傾向があります。東京都によると、新規感染者の7割程度が20代と30代だとのこと。その結果、重症化する人が少なく、病院のベッドにはまだ余裕があるとのこと。4月のころと違って、軽症者は入院せず、ホテルや自宅で療養できるようになったことも、医療への圧迫を減らしています。また、対応できる医療機関も、以前より増えました。

Q:「夜の繁華街」という言葉も頻繁に聞きます。
A:はい。ホストクラブなど、接待を伴う夜の飲食店で、感染リスクが高く、クラスターが生じやすいことがわかっています。そこで、こうしたところでの感染拡大を重点的に防ごうと、自治体と事業者が協力して、積極的に検査をしています。その結果、無症状の感染者が見つかっていて、それが感染者の数字を押し上げ
ている、という部分もあります。でも、それだけではありません。どこで感染したのか、感染経路がわからない人の数も、4〜5割に上ります。職場でもクラスターが生じているし、家庭での感染、施設での感染も生じています。このまま、若い世代の感染が広がると、そこから、高齢者に感染がつながっていき、重症化する人も増えてしまう恐れがあります。楽観はできません。

Q:どうしたらいいのでしょう?
A:感染拡大防止を第1に考えるなら、外出自粛などが効果的ですが、社会経済活動と両立させようということなので、工夫が必要です。 夜の繁華街のように、リスクが高いことがわかっている業種や場所では、積極的に検査を広げて、陽性者を隔離することが有効だと思います。また、病院や高齢者施設など、感染すると重症化しやすい人たちがいる場所では、ちょっとでも疑わしいケースがあったら、すぐに検査ができて、もし感染者がいたら、周囲の人を迅速に、幅広く、検査できるようにしておくことも必要。問題は、無症状で、感染している可能性も低い集団、つまり、一般の人たちに対する検査をどこまで広げるのがいいのか これについては、いろいろな見方があって、簡単にこうしたらいいとはいえません。メリット、デメリット、費用負担などを、データやシミュレーションに基づいて、よく検討する必要がありそうです。

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