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ON AIR BLOG / 2020.06.24 update
今日は「夏のマスクと熱中症」について。毎日新聞マーケティング室、田村彰子さんにリモートで解説していただきました。
Q:梅雨入りもし、ジメジメと蒸し暑い季節になりましたね。そんな中でも、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人前ではマスクをつけることが「新しい生活様式」として定着しました。暑い日にマスクをして歩くと、より汗をかきますね。特にこの夏は厳しい暑さが予想されていますから、熱中症が心配ですね
A:全国の医療関係者たちでつくる予防啓発団体は、「このまま熱中症シーズンを迎えたら、日本の医療現場は崩壊します!」という、タイトルの「緊急提言」を発表しました。総務省消防庁によると、昨年の5〜9月に熱中症で救急搬送された人は全国で7万人以上、うち126人が死亡し、1889人が重症だった。搬送者の半数は65歳以上の高齢者だが、残りは未成年を含む幅広い世代にわたっています。
Q:こうして数を聞いてみると、多いですね・・・。
A:そうですよね。今コロナで疲弊する医療機関に、これだけの熱中症患者が搬送されれば大変なことになるのが分かります。 熱中症は、高温多湿な環境で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能がうまく働かなくなったりすることで発症します。めまいや筋肉痛、大量の発汗、頭痛などのほか、
重症化すれば意識障害やけいれんなどを引き起こします。夏場に急増しますが、今年は新型コロナの影響でさらに発症リスクが高まる恐れがあります。
Q:マスクの影響ですね
A:そうです。通常は体内の暖かい空気を吐き出し、外の冷たい空気を吸うことで体温を調整しています。しかし、常にマスクをしていると、吐き出すはずの暖かい空気ばかりを吸い込んで体内に熱がこもってしまうんです。マスク内の湿度も上がり、喉の渇きにも気付きづらくなる。周囲に気を使ってマスクを外さずにいると、水分補給の回数も減り、いつの間にか脱水が進んでしまうことも考えられます
Q:暑い日のマスクは、本当に息苦しいですよね。家での自粛生活も暑くなってくると厳しいですね。
A:そうなんです。本来なら5、6月ごろから外出して汗をかき、徐々に体が暑さに慣れていきますが、今年は外出自粛や在宅勤務などが広がり、それができていない人が多いとみられます。さらに、専門家は運動不足で筋肉量が減っていることも見逃せないと指摘します。筋肉は、体に水分をためる最大の臓器なので、筋肉の量が減ると、脱水症状を引き起こしやすくなるそうです。
Q:室内での熱中症は意外に多いのですよね。
A:そうなんです。熱中症患者の発生場所は「住居内」というのが、毎年およそ4割を占めているんです。体温の調節機能が低下し、喉が渇きづらく筋力も衰えたご高齢の方が気付かぬうちに倒れるケースが多いのですが、今年はマスクや巣ごもりによって、若い人でも高齢者と似たような状態になっています。しかも、新型コロナ対策で窓を開けて換気をしなければならないので、室温管理もいつも以上に難しくなります。
Q;どうしたら少しでも予防できるでしょう。
A:専門家は、少量で効率よく塩分や水分が取れる「経口補水液」を常備する、クーラーをすぐにつけられるようにしておく、人混みを避けて散歩したり、室内で軽い運動をしたりする――などを上げます。
Q:いろいろマスクも開発、発売されていますから、活用してみるのはどうでしょうか。
A:たしかに、さまざまな企業が「ナツノマスク」作りに取り組んでいますね。スポーツメーカーも、暑い時期でも着用可能なマスクを開発したりしています。自身の飛沫が飛ぶのを防いだり、エチケットで利用したりためなら、こうしたマスクを活用するのもいいと思います。
Q:人との距離がとれていれば、マスクをはずしてもいいですもんね。
A:その通りです。我慢してマスクをして、熱中症になってしまっては元も子もありません。うまく、マスク生活とのバランスを取っていきたいですね。