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ON AIR BLOG / 2014.09.24 update


もうすぐ「ノーベル賞」の発表ですが、一足早く「イグノーベル賞」が例年通り、発表されてましたね。今年は、バナナの皮の摩擦係数を測定して、イグノーベル物理学賞に輝いた、北里大学の馬渕清資先生のグループが受賞。馬渕先生、帽子かぶって、バナナ持って、歌を歌っておいででした!今回で、日本人の受賞は連続8回目だそうです。今日は「人々を笑わせ、そして 考えさせてくれる研究」に対して与えられる「イグノーベル賞」今年受賞した研究についてサイエンスニュース担当、毎日新聞専門編集委員、青野由利さんに解説していただきました。

Q そもそも、「イグノーベル賞」って?
A 1991年に、マサチューセッツ州ボストンで編集している、
  ユニークな科学研究を集めたユーモア雑誌とその編集者が始めたと言われています。
  イグノーベル賞は「まず、人々を笑わせ、その後に考えさせる」研究に贈られます。
  本物のノーベル賞は、医学生理学、物理、化学、文学、平和、経済学の各賞ですが、
  イグノーベルには、もっといろいろな種類があります。
  毎年、授賞式は、ハーバード大学で行われ、
  本物のノーベル賞受賞者も参加して、賞を手渡します。

Q 馬淵先生のバナナの研究をもう少し詳しく教えて頂けますか。
A 正式な授賞理由は、「床に落ちているバナナを踏んだ時の、
  靴とバナナの皮、バナナの皮と床の摩擦の測定」です。
  ちゃんと、論文にもなっているんですが、
  センサーの上にバナナを載せて踏みつけ、摩擦係数を測定したところ、
  バナナ抜きの時に比べて6分の1だったとのこと。
  先生たちは、リンゴの皮や、かんきつ類の皮と比べても、
  やっぱり滑りやすいというデータも。
  なぜかというと、バナナの皮の内側に、
  ゼリー状の小さな粒がたくさんあって、これがつぶれることによって、
  滑りやすくなる、というのです。馬淵先生は、生体工学が専門で、
人工関節の研究をなさっているので、滑りやすさを研究しているようです。

毎年この「イグノーベル賞」のニュースを聞くと世界がパッと明るくなる気がします。くだらない中にも科学の本質を突き詰めている感じには脱帽!