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ON AIR BLOG / 2012.07.04 update
毎日新聞 専門編集委員、青野由利さんに
「うるう秒」について解説していただきました。



7月1日に挿入された「うるう秒」
午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に
「8時59分60秒」を挿入。1秒だけ長い一日に。
これは、3年半ぶりのこと。
うるう秒の挿入が始まったのは、1972年。
その後、数年に1回程度行われている。
最近では、1999年、2006年、2009年の1月1日。
今回が25回目。

なぜ必要かというと、
「時刻」の決め方が、1958年に変わったことによるもの。
それ以前は、地球の公転・自転に基づいて決められていた。
ところが、地球の動きはふらふらとして不規則。
しかも、自転は徐々に遅くなっている。
最先端科学に対応できず、1958年から、
「原子時計」が使われるように。その結果、
原子時計に基づく時刻と天文時に基づく時刻との間で
ずれが生じるようになった。
原子時計の1日は天文時の1日より短くなる。
原子時計に基づく時刻(原子時)と、天文時とのずれが
0・9秒以内におさまるように調整を行った時刻を世界の
標準時(協定世界時)としている。

もし廃止されてしまうと、1958年から、
原子時とのずれは35秒。
遠い将来には、時刻は昼なのに、外は真っ暗ということも。
うるう秒挿入=人間の英知の結集なのかもしれません。

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