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ON AIR BLOG / 2011.11.02 update
毎日新聞編集委員の岸井雄作さんに
今話題の「TPP」についてお話をお伺いしました。



Q:そもそもTPPとは??
A:TPPというのは、 
  Trans−Pacific Strategic Economic Partnership Agreement、
  正確に訳すと「環太平洋戦略的経済連携協定」と言います。
  TPPは太平洋を囲む国々が、物の輸出入の際にかかる
  関税をなくすほか、お金を投資したり、人の移動をしやすくするなど、
  経済の結びつきを強め、経済活動を活発にしようという協定で、
  一番大きいのが関税の原則撤廃で、ようは自由貿易ということです。

Q:自由な貿易は良いことなのでは?
A:多くの国は輸入品に関税をかけて国内の工業や
  農業を守ってきました。
  関税が上乗せされれば、輸入品の価格が上がり、
  国産品が有利になるからです。
  しかし、これは逆に自分の国の製品を輸出する時には
  不利になります。
  そこで、お互いに関税を下げ、最終的に関税をなくして
  いこうというのが「自由貿易」の基本的考え方です。
 
Q:反対意見としては?
A:農業が大変なことになる、という声が強いですね
  このTPPは、農産品も含めて、高い関税をかけて
  いい例外品目を、原則として認めない、原則として
  関税はすべてなくすというのが大きな特徴です。
  日本の農業は、今はきわめて高い関税に守られて
  いるものがあります。
  コメが778%、小麦が252%などのほか、
  乳製品、牛肉などにも高い関税をかけています。
  この関税がゼロになれば、日本の農業は壊滅する、
  とTPP反対派は言います。
  確かに、日本は農家1戸当たりの耕作面積が小さく、
  アメリカは日本の90倍、オーストラリアは1500倍で、
  効率で大きな較差がありますから、
  関税をなくすのは容易なことではありません。
 

とにかく、現状を知って、今後の動きをよく知ることが
これから大事になってきますね。

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