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ON AIR BLOG / 2011.08.10 update
今日のテーマは「どうして今出生率上昇?」
毎日新聞編集委員の岸井さんに解説して頂きます。



■厚生労働省が6月1日に、
2010 年の合計特殊出生率=1 人の女性が一生に産む
子どもの数=を発表しましたが、1.39 と、前の年を上回りました。

出生率は、終戦直後の1947 年は4.54 でしたが、
第2 次ベビーブーム(1971〜74 年)の後、
75 年以降はずっと2.00 を下回り、全体の出生数も減り続けています。

出生率がずーっと下がってきた原因は、
人口が減り、結婚が減り、あるいは結婚年齢が上がる晩婚化、
出産年齢も上がる晩産化、という全体の流れです。
過去20 年でみると、妻の平均初婚年齢、
第1 子出生時の母の平均年齢は約3 歳上昇しました。
今なぜ上昇か、については、いくつか、説があります。

?この間の景気低迷で、出産を先延ばししてきた
団塊ジュニア世代の女性が30 歳代後半になり、
年齢的に限界に近づいた、と判断して「駆け込み出産」した。
?大都会では、地域で知り合いもなかなか出来にくいが、子どもが出来て「ママ友」
 などつながりができてくると、「もう一人産んでも育てられる」と考えるようになる。

・・・とはいえ、1 人当たりの出生率が少々増えたくらいでは、
総出生数はなかなか伸びないとみられます。

■子育て支援の方は今どういう状況なのでしょうか?
解決が急がれるのが、以前から問題になっている
「待機児童」の問題です。
毎日新聞が今年4 月1 日時点で調べたところでは、
待機児童はちょっと減っています。
4 月1 日現在で合計2 万904 人と、
前の年を921 人下回ったのです。

待機児童が減ったのは、政策の効果が大きいと言われます。
2008 年度から、待機児童が10 人以上いる自治体への
保育所整備費の補助率が、2 分の1 から3 分の2 へ引き上げられました。
この補助金を活用して大幅に保育所定員を増やした自治体で
待機児童が大きく減りました。

とにかく、政府の総合的な政策がまとまり、
実行していく段階にさしかかります。出来ることから、
先手先手で進めてほしいですね。

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