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ON AIR BLOG / 2020.09.23 update
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今日は、毎日新聞社 編集編成局次長兼写真・映像報道センター長齊藤信宏さんの解説です。

Q:齊藤さん、今日はどんなお話ですか?
A:今日は私が担当する最後の回ということで、スタッフの方からすごく難しいお題をいただいてまして。「10年後の世界はどうなっているのか」というお題です。しかも明るい話にしてください、と。

Q:それはちょっと聞いてみたいですけど、確かに難しそうですね。
A:はい。ちょっとアタマをひねりました。で、ですね。少し大きな話をしてみたいと思います。ひと言で言うと、10年後には、日本を含めたアジア・西太平洋地域、これはオーストラリア、ニュージーランドも含むわけですが、この地域が世界の中心になっている、ということです。

Q:ヨーロッパやアメリカではなく、アジアですか。
A:はい。経済成長のスピードが世界的に見ても断然速いのがアジア・西太平洋地域です。しかも今回の新型コロナウイルスの影響を見ても、欧米とアジアでは感染者数、死者数ともレベルが全然違います。例えばアメリカでは19万人以上の人が亡くなっていますし、ヨーロッパも多くの人が亡くなりました。もちろん、これからどうなるか分かりませんが、どんな疫病も5年もすれば終息します。これは歴史が証明しています。と、考えると、10年後には中国はもちろんですが、タイやインドネシア、ベトナムなどアジアの国々は昭和の高度成長期の日本のような勢いで発展していくでしょう。

Q:でも、日本の未来はどうですか?
A:そこですが、例えばインバウンドは今、コロナ禍で大変な落ち込みようですよね。観光業界や飲食業界、旅行関係の業界の方々は大変に苦しんでおられます。でも、コロナさえ収まれば、間違いなくアジアの人たちは日本に帰ってきます。しかもこれまで以上の勢いで押し寄せます。2030年の日本は真の観光立国になっていると私は予想しています。

Q:本当にそんなに増えますか?
A:増えます。例えば去年、中国からの観光客は1年間に950万人ほど来日したのですが、2030年には2500万人ぐらいに増えているという予測があります。また、インドネシアはまだ中国ほど豊かではないのですが、昨年日本に来たインドネシア人は41万人でした。2030年には450万人になると予想されています。ほかにもタイ、ベトナム、もちろんお得意さんの台湾、韓国とアジア中から人がどっと入ってくるはずです。

Q:それはそれで大変そうですね。
A:そこなんです。むしろ問題は日本に住む私たちの側にあります。外国人観光客が減って大変だ、と言ってますが、来たら来たで、抵抗感を抱く人たちがいる。
これではせっかく来てくれた外国からのお客さんが嫌の思いをして帰ることになってしまい、10年後の未来は明るくなりません。私たちが開かれた心を持ち、どんどん外国からお客さんに来ていただく。そうやって日本はアジアといっしょに豊かになっていくんだ。そういう気持ちを持てるかどうかで日本の未来は大きく変わると思います。そして、私たちももっと日本以外の世界を広く深く見ることが大切です。相手を理解すれば、その分相手に寛容になれます。
日本の未来を明るくできるかどうかは私たち自身の気持ちと行動にかかっているのだと思います。

毎日新聞・齊藤信宏さん、これまでにたくさんのニュースを独自の視点で解説していただき、ありがとうございました!

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