毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION
ON AIR BLOG / 2019.09.11 update
毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。
今日は、毎日新聞 論説委員・平田崇浩さんです。
今日はまさに本日発足される「内閣改造」をテーマにお話します。
Q ちょうどこの後、新しい閣僚名簿が発表されますね。
A 午後1時20分ごろをめどに菅官房長官が発表する予定です。
安倍首相が政権に返り咲いてから7年近くで9回目、
第1次安倍内閣も含めると11回目の組閣となります。
Q 毎年のように組閣しているわけですね。今回の特徴は?
A 7月の参院選を乗り切って、安倍首相としてはいよいよ
長期政権の仕上げを考えなければならない段階に入ります。
自民党総裁の任期は再来年2021年9月まであと2年。
仕上げという意味では二つあります。
誰を後継者にするかという人事の面と、
政権の優先課題として何に取り組むかという政策の面です。
Q 主な閣僚の名前はもう報道されていますね。後継者の顔は見えてきましたか。
A まだはっきりとは見えていませんが、「ポスト安倍」候補になりそうな閣僚としては、
第2次安倍政権以来、ずっと官房長官を続けている菅義偉(すがよしひで)さんが
今回も再任されます。
Q 「令和おじさん」ですね。
A そのほかには、日米貿易交渉を大筋合意までまとめた茂木敏充さんが
経済再生担当相から外相に横滑りします。
また、安倍首相の側近で自民党総務会長だった加藤勝信さんが
1年ぶりに厚生労働相に戻ります。この2人は同じ竹下派という派閥に所属していて、
ライバル関係にあります。外相から防衛相に横滑りする河野太郎さんにも
注目する必要があるでしょう。
Q 小泉進次郎さんは?
A 環境相として初入閣しますが、ポスト安倍候補というにはまだ早い。
自民党総裁選で石破茂さんを支持した進次郎さんを一本釣りして
取り込む狙いもありそうです。
滝川クリステルさんとの結婚を首相官邸に報告に行って話題になりましたしね。
Q 安倍さんの後継候補は菅さん、加藤さん、茂木さん、河野さんの
4人に絞られた感じですか。
A それに自民党政調会長に留任した岸田文雄さんを加えれば5人になります。
安倍首相としては、政権批判を続けている石破さんに
首相の座を渡したくはないでしょうから、
この5人を競わせようと考えているのではないでしょうか。
Q 何を競わせるのですか。
A それがまさに政策の総仕上げとかかわってきます。
再来年まで首相を務めれば通算で歴代最長10年の長期政権になるわけですから、
後世へのレガシー(遺産)となる政策面の成果が欲しい。
特に首相がライフワークとしてきた憲法改正は自民党の政策責任者である岸田さんに、
内政全般のかじ取りを担ってきた菅さんには
北朝鮮の拉致問題も前進させてもらいたい。
社会保障制度改革は加藤さんに、外交・安全保障は茂木さんと河野さんに、
とそれぞれ役割を与えて、成果を競わせようという考えなのだと思います。
Q そういう自民党の内輪の話ばかりではなく、
私たち国民に向けた首相のメッセージを聞きたいのですが。
A 安倍首相がきょうの夕方に行う記者会見で何を語るかに注目しましょう。
首相は「安定と挑戦」を掲げて今回の人事に臨んだわけですが、顔ぶれだけを見ると、
「挑戦」より「安定」を優先させた印象が強い。
自分に近い議員の起用が目立ち、「お友だちの在庫一掃内閣」との批判も出ています。
再来年以降も首相を続ける「総裁4選」論も消えていません。
――私たちが政治に求めているのは「政権の安定」ではなく
「将来の安心」なのだと思います。
安倍首相には、人口減少の問題にこれからどう取り組んでいくのか、
格差や貧困をなくす政策をしっかり考えてくれているのかを聞きたいですね。
毎日新聞 平田さんありがとうございました。
今日は、毎日新聞 論説委員・平田崇浩さんです。
今日はまさに本日発足される「内閣改造」をテーマにお話します。
Q ちょうどこの後、新しい閣僚名簿が発表されますね。
A 午後1時20分ごろをめどに菅官房長官が発表する予定です。
安倍首相が政権に返り咲いてから7年近くで9回目、
第1次安倍内閣も含めると11回目の組閣となります。
Q 毎年のように組閣しているわけですね。今回の特徴は?
A 7月の参院選を乗り切って、安倍首相としてはいよいよ
長期政権の仕上げを考えなければならない段階に入ります。
自民党総裁の任期は再来年2021年9月まであと2年。
仕上げという意味では二つあります。
誰を後継者にするかという人事の面と、
政権の優先課題として何に取り組むかという政策の面です。
Q 主な閣僚の名前はもう報道されていますね。後継者の顔は見えてきましたか。
A まだはっきりとは見えていませんが、「ポスト安倍」候補になりそうな閣僚としては、
第2次安倍政権以来、ずっと官房長官を続けている菅義偉(すがよしひで)さんが
今回も再任されます。
Q 「令和おじさん」ですね。
A そのほかには、日米貿易交渉を大筋合意までまとめた茂木敏充さんが
経済再生担当相から外相に横滑りします。
また、安倍首相の側近で自民党総務会長だった加藤勝信さんが
1年ぶりに厚生労働相に戻ります。この2人は同じ竹下派という派閥に所属していて、
ライバル関係にあります。外相から防衛相に横滑りする河野太郎さんにも
注目する必要があるでしょう。
Q 小泉進次郎さんは?
A 環境相として初入閣しますが、ポスト安倍候補というにはまだ早い。
自民党総裁選で石破茂さんを支持した進次郎さんを一本釣りして
取り込む狙いもありそうです。
滝川クリステルさんとの結婚を首相官邸に報告に行って話題になりましたしね。
Q 安倍さんの後継候補は菅さん、加藤さん、茂木さん、河野さんの
4人に絞られた感じですか。
A それに自民党政調会長に留任した岸田文雄さんを加えれば5人になります。
安倍首相としては、政権批判を続けている石破さんに
首相の座を渡したくはないでしょうから、
この5人を競わせようと考えているのではないでしょうか。
Q 何を競わせるのですか。
A それがまさに政策の総仕上げとかかわってきます。
再来年まで首相を務めれば通算で歴代最長10年の長期政権になるわけですから、
後世へのレガシー(遺産)となる政策面の成果が欲しい。
特に首相がライフワークとしてきた憲法改正は自民党の政策責任者である岸田さんに、
内政全般のかじ取りを担ってきた菅さんには
北朝鮮の拉致問題も前進させてもらいたい。
社会保障制度改革は加藤さんに、外交・安全保障は茂木さんと河野さんに、
とそれぞれ役割を与えて、成果を競わせようという考えなのだと思います。
Q そういう自民党の内輪の話ばかりではなく、
私たち国民に向けた首相のメッセージを聞きたいのですが。
A 安倍首相がきょうの夕方に行う記者会見で何を語るかに注目しましょう。
首相は「安定と挑戦」を掲げて今回の人事に臨んだわけですが、顔ぶれだけを見ると、
「挑戦」より「安定」を優先させた印象が強い。
自分に近い議員の起用が目立ち、「お友だちの在庫一掃内閣」との批判も出ています。
再来年以降も首相を続ける「総裁4選」論も消えていません。
――私たちが政治に求めているのは「政権の安定」ではなく
「将来の安心」なのだと思います。
安倍首相には、人口減少の問題にこれからどう取り組んでいくのか、
格差や貧困をなくす政策をしっかり考えてくれているのかを聞きたいですね。
毎日新聞 平田さんありがとうございました。